【川島永嗣】2018年Wカップ-GKに対する批判は正しいか?

2021年10月27日水曜日

社会

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勝利とともに高まる期待と批判

■FIFAワールドカップがものすごい盛り上がりを見せた。

盛り上がり方を曲線グラフにすると右肩上がりのインフレーションだろう。

僕も嬉しい。サッカーのニュースに目が行ってしまう。試合結果とハイライトはもちろん、選手や試合の論評、これからの展望など、派生記事も暇さえあれば読んでいる。

一つ憂慮することがあるとすれば、これは非常に個人的な問題ではあるが、ワールドカップが始まる前、今回の日本代表には期待できないと言っていた友人と合うときの気まずさである。(川島選手への批判についてはもう少しあとになります)

僕はスポーツに詳しくない。どの競技においても国際的な大会にしか注目しないにわかファンの1人なのである。

そこで僕は今大会の目算を友人に尋ねてみた。彼は「今回ほど期待できない代表はないね」と言った。

彼の主な指摘は以下の二点である。

1,若手が少ない。

2,本田よりも他の選手を入れたほうがよかった。

僕はニュースやネットの評判が悪いのは知っていた。彼も同じような考えかと思い、子分みたいにそれに同調する形となった。

ところが親善試合のパラグアイ戦で勝利、続いてワールドカップ初戦となる強豪国コロンビアにも勝利、セネガル戦では本田圭佑のゴールにより敗戦を免れることとなった。

ベテランが成果を挙げている。

本田選手すごい!

日本代表すごい!!!!

日毎変化するこの空気は、今や僕と友人に「気にしてないよ」という自然な笑顔を演じさせるテストみたいになっている。

そういうわけで、今季の日本代表は西野監督のもと、チームワークを評価され、愛されるチームになりつつある。

人間味も魅力だからきっと僕のニュース漁りも捗るのだろう。

しかし、そんな期待と激励、高評価の集まる日本代表の中で、唯一と言っていいほど批判を受けている選手がいる。

ゴールキーパーの川島永嗣選手である。

彼が批判を受ける理由は主に、コロンビア戦の失点(この時の取り方もゴールラインから後方に跳びついたため良くなかったとされている)とその明らかな失点に不服を申し立てた姿、それと、セネガル戦の最初の失点の原因となったシュートされたボールへのパンチングである。これはボールが正面から来ていたため、キャッチするのが最良とされている。無論、そうすればこのときの失点は免れただろう。

特にセネガル戦のこの失点は勝敗に影響したことから批判も強い。

ヤフーニュースのコメント欄などを見ても、最善策が明白であるが故に擁護する意見は少ない。

ここで僕は、この川島選手に対する批判が正しいのかどうか考えてみたいと思う。

■批判のデメリット

ここで言う「正しい」というのは道徳的な善悪の正しさではなく、あくまでもチームに対して生産的かどうかということである。チームやサッカー界、スポーツ界に貢献する批判であれば、それは正しい批判ということである。そしてさらにその批判が今季ワールドカップの行方に貢献するという即効性のあるものと見ることにする。とてもわかりやすくするのなら、勝つか負けるかということでもいい。だからもし、この批判が逆に今後の試合結果に悪影響を及ぼすものであればそれは悪い批判ということである。

僕の端的な答えとしては、もしその批判が、西野監督の意に反して川島選手をスタメンから外すことになれば、悪い批判である。

(とは言っても、政治と違い、世論がそれほど影響力を持つとは考えづらいということは念頭において置かなければなるまい)

それでもテレビの評論家たちはいざ知らず、ネットで批判している人たちは、日本が勝つために本気で川島選手を交代させたいと考えいている。

僕は冒頭でも言ったようにスポーツに詳しくない。サッカーのルールもよくわからない。だから人間関係にものすごく目が留まる。

そしてネットの中でも知識のある人の意見として、GKはDFと連携しており、GK自身の失点だけをみて判断するのは良くないというのがある。そこにチームワークがあり、このチームワークが壊れることによって更に守備が弱くなり、失点につながるということだろう。彼らはGKを今変えるのは危険であるとしている。無論、控えに同じ環境を整えられる人がいればそれも戦略の一つだろう。

しかし、この控えの選手を起用しようとする時、批判していた人たちは喜ぶかもしれないが、自分たちの批判が、今度新たな問題点として控えの選手の足かせとなる。なぜか。

これは批判者の批判がスタメンの変更に影響力を持ったと仮定した際の話であるが、スタメンを交代させるほどの川島選手への猛烈な批判は、次に川島選手の後任の選手へプレッシャーとして重くのしかかるのである。そのプレッシャーが、プロの選手にとって悪影響を及ぼすという心理までは断言できない。ただ一つ材料があるとすれば、ホームでの声援は力となり、アウェイでの緊張感はマイナスになるということである。そして歴史的にも、応援というのは選手たちを励ますという文化であって批判ではない。そしてその応援が選手たちの力になっていることがわかっているので続いてきた文化だというのことは言えるだろう。

スポーツ選手にとって、またチームにとって、交代は罰ではない。戦略である。過剰な批判は他の選手のメンタルにも影響する。皆チームメイトであってつながりを持っているからである。

だから僕は、今回の連日盛り上がり続ける期待に比例して膨れ上がる一選手を排除しようとする批判を悪と考える。

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