ひろゆき氏の戯言2|繁忙期は引っ越し料金10倍にすれば解決?

2024年3月24日日曜日

社会

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10倍にしても解決できない理由は簡単

ひろゆき氏が引っ越し業界の繁忙期のについて言及しました。

料金を10倍にすれば人も給料も上げられ、それに応じて人が集まるということを考え付いたようです。

すでに10倍にしているところもあるよと、出落ちは置いといて、

実際これは無理なんです。

答えは簡単です。

なぜなら・・・


トラックが足りないから


トラックが足りないんです。

荷物を運ぶトラックの数が限られているので料金を上げても人を集めても無理なものは無理なんです。

日本中のトラックをかき集めても足りないのが引っ越しの繁忙期。

レンタカーのトラックですらすべて予約済み。

他の職業で余っているトラックもここぞとばかりに業者が引っ越しに使います。

数字だけしか見ない人はここが本当に不思議に感じるかもしれません。

でも、現実にそうなんです。


これと同じような現象が9月にも起こります。

お米の収穫です。

取れたお米を運ぶために日本中のトラックが北陸・東北地方に出払います。


じゃあトラックを増やせばいいじゃないと思うかもしれません。

これも数字しか見ない人の考えです。

繁忙期のためだけにトラックを増産したとしたら閑散期、つまり忙しくなくなった時、そのトラックはどうしますか?

どこに止めておきますか?

誰が整備しますか?

駐車料金や維持費は馬鹿になりません。


引っ越しもお米の収穫も繁忙期と閑散期の差が激しすぎるので、年間を通した計画の範疇でトラックの台数が大体決まっているのです。

もし海外から気軽にトラックを運べるほど流通が発達したら繁忙期にも対応できるかもしれません。

でも、結局やりやすくなったということはお値段も上げる理由にはなりませんので料金十倍にすればいいという論調からは外れます。

繁忙期はもともと割高+人材はすぐには育たない

ひろゆき氏は10倍にすればいいと言いますが、もともと繁忙期の料金というのはかなり割高になっています。

10倍くらい吹っ掛けているところも実際にあります。

しかもうちでは仕事できませんと暗に示すための断り文句として・・・。

米中だけではありません。

すでにやっているんです。

それでも回らないのはやっぱり人手が足らないからです。

私も二十代前半に引っ越しのアルバイトをして繁忙期を経験しました。

1日に3件、多いときは4件。

朝5時から翌朝の6時くらいまでかかって寝ずに次の日の予定の引っ越しに行くこともありました。

それが3月半ばから4月の半ばくらいまで続きます。

だいたい1か月間です。

臨時のアルバイトも高額で雇います。

沖縄から住み込みで働いてもらう方式も取りました。

それでもキャパオーバー。

請け負いきれない仕事は断るしかありません。

私の事務所では繁忙期は単身の引っ越しは受け付けないとしたこともありました。

じゃあ、給料を高くして人を集めればいいじゃないというは、先ほどのトラックの台数の原理と同じで繁忙期だけ短期で集まれる人というのは限られています。

そして素人だけワラワラ集めても仕事は回りません。

ベテランの人も指導しきれませんし管理しきれません。

運転手足りません。

事故が起きます。

冷蔵庫の持ち方わかりますか?

ガラス戸を割らないように階段上り下りできますか?

腰を痛めないように持てますか?

引っ越しは交通事故と労災事故、物損事故がかなり多い職業です。

それを1ヶ月だけの特別給のためにできますか?

そして誰でもできる仕事ではありません。

高い給料を出しても30キロ以上持てない人もたくさんいます。

お金が欲しくても、金のためなら何でもやるって意気込んでも、重いものが持てる健康がなければ引っ越しはできないのです。

お金が欲しいだけでは仕事はできない、これはどの職業にも当てはまります。

わかりますか?

人材は無限ではないんですね。

みんな自分の生活がありますから。

実際に高額料金を突き付けたら

繁忙期には料金10倍にしても引っ越しの依頼をする人もいます。

でも全員ではありません。

中にはじゃあ時期をずらしますと柔軟に対応する人もいます。

じゃあウチはもっと安くすると無名の業者が現れたり、大手でも割安のプランを提示するところもあります。

繁忙期は基本値切るのが難しいですが、相見積もりで価格競争が起こり値段がバランスされるのです。

ですから1社だけがべらぼうに高い料金設定することはできません。

じゃあみんなで料金を上げようかっていうのは価格カルテルですね。

企業連合です。

10倍にしてもいいですし、10倍にしているところもありますけど実際上手くいくとは限りません。

上手くいかないから現状があるともいえます。

また、先ほど申し上げたように引っ越し業者というのは繁忙期と閑散期の差が極端なため、繁忙期以外は赤字の場合もあります。

繁忙期手当はあります。

ただ、閑散期の赤字を繁忙期の収益で補填させるので、繁忙期だけ従業員の給料を客から取っただけ与えるということもできません。


そしてひろゆき氏の値段十倍理論に賛同の方。

あなたはお客さんとして10倍払う気概はあるのですか?

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