なぜクルド人の「病院に行け」が「日本人死ね」に聞こえたのか

2024年2月19日月曜日

社会

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クルド人が動画内で発している内容

差別的なデモに対してクルド人が路肩から発している言葉は次の通りです。

「病院に行け!病院に行け!精神病院に行け、レイシスト!」

この「病院に行け!」の部分が「日本人死ね」に聞こえるということで問題視されSNSで拡散されているのが今回の騒動です。

動画内では他に

  • 不快を表す「ウー」という声
  • 甲高い指笛
  • 「恥を知れ!」の連呼
  • 「恥を知りなさい」
  • 「日本の恥!あんたたち差別デモよ。差別で日本は守れないんですよ」

などが聞こえます。

下3つの「恥」に関する言葉は、発音の良さ、アクセント、日本目線で言っていることに鑑みて、クルド人を支援する日本人が言っている可能性が高いと思われます。

なぜ「病院に行け」が「日本人死ね」に聞こえたのか

Biyoinni ike(病院に行け)
Nihonjin shine(日本人死ね)

母音だけ見ると共通点が多く、聞き間違える要素はあることが分かります。

デバイス環境

一つ考えられることは、スマホやPCのスピーカーで聞いているからということが考えられます。

もう一つは100均などで売っている安いイヤホンで聞いているかです。

これらの音環境では雑音が入ったり、元の音源を正確に再現できない恐れがあります。

デキれば1500円から3000円くらいのヘッドホン・イヤホンで聞いてみてください。

先入観

また、最初に「日本人死ね」と言っているとの先入観からそう聞こえている場合もありますので、時間をおいて聞いてみるのも効果的かと思います。

聞き取り

もし動画配信サービスに速度を遅くする機能があれば使ってみるのもよいでしょう。

速度を上げるのは聞き間違えを助長してしまうので無意味です。

早くして聞き取れるのなら、遅くしても聞き取れます。

遅くして聞き取れないのに早くしたら聞き取れたというのは耳をごまかしているにすぎません。

聴力

もちろん聞き手の耳の能力も関係しています。

日本人の10人に一人は自覚あるなしにかかわらず難聴だと言われています。

65歳以上に関していえば2人に1人は軟調だそうです。

難聴の現状 | 難聴について知る | 補聴器 | Panasonic

もし不安であれば、これは決して煽るわけではないですが病院(耳鼻科)に行ってみるのもありかもしれません。

最初から聞いていない

もしかしたら動画を観ないでデマを鵜呑みにしている人たちもいるかもしれません。

ネット記事を読まないで聞きかじった情報のみで拡散する人もたくさんいます。

まさか嘘なんて言うわけないと確認せずに拡散する人もいるのです。

箇所を間違えている

中には「恥を知れ」の部分を「日本人死ね」と思っている人もいます。

どの部分が話題になっているのかついていけていない場合もあります。

「病院に行け」である理由

文脈的解釈

「病院に行け」と聞き取れなくても、そのあとの「精神病院に行け」は聞き取れるでしょうか?

「精神病院に行け」の前に「日本人死ね」というとは考えにくいというのはなんとなくわかるでしょう。


確定とまではいきませんが、彼は「精神病院に行け」をメインに持ってくることをマイクを借りるときから考えていた。

そして語呂がいい「病院に行け」を2回繰り返したという考え方は「日本人死ね、日本人死ね、精神病院に行け、レイシスト」よりもより可能性が高いと思いませんか?

クルド人が「日本人死ね」とは言えない環境要因

デモに反対している人たちの中には日本人の姿も確認できます。

クルド人の味方をしている日本人が付き添っているのです。

ですから味方でいてくれる日本人のすぐそばではさすがに「日本人死ね」とは言えないということが推察できるでしょう。

クルド人たちは協力してくれている日本人に対しては誠意をもって対応します。

動画内のクルド人たちが反発している対象は日本人というくくりではなく、あくまでもクルド人を差別し排斥しようとしている人物・団体です。

どことどこが敵対しているかを考えるとなおわかると思います。

「日本人死ね」と「精神病院に行け」の違いの重要性

「日本人死ね」も「精神病院に行け」もどちらも相手を罵倒する目的で発せられています。

しかし、両者には明確な差があります。

「日本人死ね」は日本人全体を指す人種差別、ヘイトスピーチです。

「精神病院に行け」は自分たちを攻撃する人や団体への反撃です。


そしてこれをヘイトスピーチとして拡散している人たちは、クルド人全体を危険な存在と刷り込ませようとしており、非常に悪質です。

実際にはこのクルド人は日本人を罵倒しておらず、自分たちを攻撃する者に対してケンカ腰になっているわけです。

「日本人死ね」に聞こえてしまう病理

ありもしないことが空耳で聞こえてしまう精神状態は、関東大震災後の朝鮮人虐殺を起こしたパニックにも似ています。

殺されたのは朝鮮人だけではありません。

香川県民の方言を朝鮮語訛りだと勘違いした自警団がその一行15人を殺傷してしまった福田村事件というのがあります。

自分たちが攻撃されている、危害を加えられるかもしれないという緊張状態のもと、社会に不満を持つ集団心理が暴走してデマに踊らされる人が大勢発生するのです。

このようなデマに簡単に翻弄される日本人こそ、私は憂うべきだと思います。

こんな状況では、もし悪意のある狡猾なプロパガンダが敵国から流されたら国民は瞬く間に虚像に対して反乱を起こし自滅してしまいます。

日本にはこれだけデマに翻弄される鬱憤が蓄積されているのです。


私は「精神病院へ行け」というのは決して正しい反論だとは思いません。

しかし、彼がなぜそんなことをいったかと推察すると、相手の痛いところを衝きたいという攻撃姿勢から発生したと考えられるのです。

攻撃には二種類あります。

一つは根も葉もないデマで相手の品格を下げること、

もう一つは真っ当な真理で相手を打ちのめすこと、

です。

「精神病院に行け」という暴言は少なくとも彼にとって的を射ていると思えたのでしょう。


何が言いたいかというと、もしクルド人だとか何々人ということで排斥しようという気持ちを持っているのならもう冷静になるべきだということです。

「精神病院に行け」という暴言に当てはまるような人になってはいけないのです。


デモをする人に向かって「精神病院に行け」といういい方は決して正しいとは言えません。

間違っています。

しかし「差別する人」だけを切り離して言及すれば、そのような人は確かに精神疾患を持っている、もしくはカウンセリングを必要としている人たちです。


クルド人の移住に反対であるならばその訳を理路整然と述べればいいし、デモで主張すればいい。

しかし、そこにデマはいりません。

デマだとわかったら認め、拡散したことを謝罪すべきです。

デマをデマと認められず、謝罪もできないのであればそれはやはり差別なのです。

そして差別するに人はしっかりと精神科に受診することを勧めます。

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