クラウド×エアリスのカップリングこそFF7を面白くする

2024年4月9日火曜日

ゲームレビュー

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クラウドとエアリスのカップリングが最高なワケ(ネタバレを含みます)

エアリスかティファかの正しいのは・・・

派生作品も多くリメイクも発売された人気作品FF7には、オリジナル版からイベントに本筋を壊さない程度のやんわりとした分岐が存在し、それが長きにわたるある論争のもととなっています。

分岐とは、プレイヤーの操作する主人公クラウドの行動や選択によって、仲間の好感度が変化し、その好感度に応じて仲間の反応が変化すると言ったものです。

この反応はゴールドソーサーという遊園地で起こるデートイベントで顕著に表れ、相手がエアリスかティファかによってプレイヤーにとってかけがえのない思い出となりゲーム体験となるものです。

基本的にクラウドの本命の相手はエアリスかティファかという二つの主張が長きにわたって論争の種となっているわけですが、まず初めに言っておかなければならないのは、答えは「プレイヤー次第」です。

ここには明確な答えは存在していません。

存在しているとすれば2つの答えがあり、それらはプレイヤー一人一人の判断と選びにゆだねられているのです。

なぜならこのゲームがRPGだからです。

アドベントチルドレンの続編が作られても、リメイクになって詳細なイベントが追加されてもその辺の解釈は各プレイヤーにゆだねられるような配慮がなされています。

また、仮に続編でエアリスかティファかの決定的なイベント、例えば結婚とか子育ての描写が公式から公開されたとしても、それは公式が選択した物語であってプレイヤーの物語に干渉するものではないということも申し上げておきます。

ですからエアリスかティファかの答えはどちらが”正しい”ではなく、どちらが”好き”かという問題なのです。

そして私は一時的なクラウド×エアリスのカップリングが最もFF7の物語を面白くすると考えています。

一時的と申し上げたのは、ご存じの通りエアリスはセフィロスによって命を奪われ亡き人となり、人間としての触れ合いはなくなってしまうからです。

この物語の流れはエアリスの存在感を高めるだけでなく、ティファの重要性も高めます。

クラウドがエアリスにかける思いが強いほど、その心の傷を癒し、支えるティファが後のヒロインとして映えるのです。

エアリスの愛情は恋愛ではなく母性という論調

クラウドとエアリスのカップリングを否定する意見として、エアリスがクラウドを大切に思うのは恋愛感情ではなく母性本能からだというものがあります。

星と語り合える神秘的な女性、冷たくされても罵倒されても暴力を振るわれてもそれを忘れ赦してくれる女性、癒しの風や大いなる福音などキャラクターのHPを回復したり状態異常を治す技からしてもエアリスに母性を感じる人は多いようです。

ですが母性だから恋愛感情はないとする理論は成り立ちません。

母性によって惹かれ合い、結婚に至るカップルはこの世に大勢います。

また同郷、幼馴染み、料理が上手、ふくよかな体系、控えめな部分があるティファにだって母性はありますし、母性を感じる人も多いことでしょう。

ですから母性と恋愛感情は反発する者ではなくむしろ親和性の高い感情であると言えるのです。

そこでカップルとして成立するかどうかは、やはりお互いの理解と選択にかかっていると言えるでしょう。

重要なのはクラウドがどちらを好きかということ

FF7はRPGであり、カップリングがエアリスとなのかティファなのかはプレイヤーの解釈と判断、選択によって変わるというのは先ほど申し上げました。

しかし誤解してはいけないのは、好きか嫌いかを判断するのはクラウド(プレイヤー)側であって、エアリスとティファは双方ともにクラウドのことが好きだということです。

つまりクラウド(プレイヤー)の選択にかかわらず、エアリスもティファもクラウドのことが好きなのは変わらないということです。

もちろんクラウドの対応によってエアリスとティファのどちらかが接近します。

でもそれは、接近しなかった方がクラウドに気がなかったからではなく、接近した方がクラウドに近づきや酸かったからです。

うらやましい限りですが、エアリスもティファもクラウドのことが好きです。

そしてまだ淡いかもしれませんが恋愛対象として見ています。

ただFF本編はエンディングまで大事件の連続です。

とてもじゃないですが付き合うですとか結婚という結論を出せるまで落ち着ける機会はやってきません。

エアリスにしてもティファにしてもそしてクラウドにしても、正義感、使命感、仲間を思う気持ちによってセフィロスを倒し星を救うことが行動原理の最重要課題となっていたに違いありません。

エアリスはザックスの死を知っている

FF7リメイクおよびリバースではキャラクターの中に記憶の消滅や改ざんのようなものが起こっているので一概には言えませんが、エアリスは少なくとも一度、ザックスの死を感じ取ったことがある可能性が高いです。

エアリスは幼少期、育ての母エルミナの夫が戦死したことを察知しました。

また、クライシスコアでザックスが絶命したと思われるところで、エアリスが悲しげに空を見上げるシーンがあります。

確信とまではいかずとも、エアリスがザックスの死を感じ取っていたとしてもおかしくはありません。


ファンの中にはエアリスにはずっとザックスのことを思い続けてほしいという人もいますが、実際にはなかなか残酷なことではないでしょうか。

エアリスは結婚しているわけでもなく、ザックスとの間に子供がいるわけでもない。

まだ22歳の若さで恋愛もまともにした経験もない。

そんな女性をまるで未亡人かの如く、彼女曰く「ちょっといいと思った」人に縛り付けておくのは何とも心苦しいものです。

決してエアリスにとってザックスが小さな存在とは思いません。

大きな存在であったとしてもザックスは死んだのです。

死はいつか受け入れなければなりません。

大切な人だからこそ、その死を受け入れ乗り越えるよう助けてあげたいと思うものです。

エアリスは実際に頑張っています。

ザックスのことを今でも大切に思っているでしょう。

ザックスが好きだったから、そしてザックスが大事だったからクラウドを特別な存在として目に止まりFF7の壮大な星を救う物語が始まったと言えるのではないでしょうか。

クラウドはエアリスの死を知っている

そしてこれはエアリスを失ったクラウドに対しても言えることです。

現段階ではリバースではここがあやふやになっています。

ただ、オリジナル版ではクラウドはエアリスの死に直面し、悲しみ怒り、自らの手で水葬しました。

クラウドもまたエアリスと別れなければならないのです。

FF7のカップリングとは時間軸に支配された儚く無情な、それでいて掛け替えのない煌めきです。

ザックス×エアリスなくしてクラウド×エアリスはなく、クラウド×エアリスなくてはクラウド×ティファもあり得ない。

4人も登場するけれど、昼ドラ連ドラのような騙し合いも駆け引きもない。

誰一人憎み合わず恨みもしない。

ただただ一途に相手を思いやり”生きよう”とした誠実かつ純朴な若者たちの、絶対的な不可逆性のもとに成り立つ恋愛模様なのです。

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