トルコリラは1円以下に?下値で買ってもロスカのリスクは減らない

2023年6月8日木曜日

投資・金融

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通貨の価値に底はない。1円以下になり得ることは知っていますか?

トルコリラ円の魅力は買いポジションを持った時のプラススワップ。

トルコ政府の高金利政策のたまものです。

FX業者とポジション量にもよりますが、単価の安いトルコリラを大量に買って、ある人は毎日1000円、ある人は毎日10万円手に入ると期待しているかもしれません。

しかしスワップで儲けるためにはある程度、通貨が安定した値動きをしていなければなりません。

たとえ高額スワップと言っても、ポジションから逆行した値動きをすればスワップでは賄えない損害を被ることもあるからです。

ともすると、トルコリラ円の長期の下落トレンドはスワップ目的で保有するのがかなり難しいということです。

トルコリラ円は2007年に最高値の99円を記録した後かなり急落していき、10年前の2013年には50円台、そして現在(2023年6月8日)は5円台です。

トルコリラは危険!どんなに下で買ってもロスカのリスクは減らない

ただこれを見てこう思う人がいるかもしれません。


もう限りなく0円に近い。

さすがにこれ以上は下がらないだろう。

買い場だ!


0円に近いから下値が重いとか、

ここで買って下値を掘っても0円までロスカットされない資金があるとか、

しかしこれは大きな間違い、そして危険な間違いです。

理由は二つあります。

FX業者による取引停止

一つ目のリスクとして、通貨の価値があまりにも下がりすぎると、FX業者がその通貨ペアの取引を停止する事態に至ります。

その場合、停止した時点での価格で強制決済されることになるでしょう(具体的なルールについては、ご利用中のFX業者の利用規約を確認してください)。

結果、多くの投資家が含み損を抱えたまま、スワップを得る前に損切りを余儀なくされる状況に陥ります。

このような現象は、かつてジンバブエドルがインフレで大幅に下落した際にも確認されています。

通貨価値は1円以下になる

もう一つは、通貨は0円にはならないが0.1円にはなるということです。

通貨価値が0になることは理論上考えにくいです。

もちろんマイナスにもなりません。

しかし1円以下にはなります。

どのようになるのか。

それは0.1円、0.01円という形で下値を掘り続けるのです。

つまり通貨の価値に底はないということです。

0円で止まるよりも怖いことが分かりますよね?

例えばNZドル米ドルは0.6、ユーロポンドは0.85辺りです。

対円では見慣れない値ですが、外貨通貨のペアだと普通です。

この状態にトルコリラ円もなり得るということです。

トルコリラ円の価格が

15円から1000pips下がった場合。

5円となります。


5円から1000pips下がった場合。

通貨価値はマイナスにはならないので、-5円ではなく0.2円となります。

5円-(1000pips×0.01円/pips)=0.2円

※マイナスにならない条件下では逆数を使って算出します。


さらに0.2円から1000pips下がった場合。

0.0102円となります。

たとえトルコリラが1円になったとしても、それは日本人から見た対円の価値の基準であって、そこで下げの勢いが止まるとか弱まるとか、そういうことはありません。

ユーロ・ポンド・スイスフランのように各国の中央銀行が通貨価値を調整し合う関係であれば、あるいは特定の価格で止まることがあるかもしれません。

しかしトルコ政府が日本円との比較に注視するような理由がなければ、たとえ1円になったとしてもこれまでと同様の勢いで下がっていくと考えた方が合理的なのです。

トルコリラ円は今以上に大幅に下がる恐れ

  • 価値が下がりすぎてFX業者が取引を停止するかも
  • 通貨の価値は0.1円、0.01円、0.001円と下値を掘り続けることができる

もしこれらのリスクを分かったうえで、あえて安値のトルコリラ円を買ってみようと計画されているのならそれなりの読みがあるということでしょう。

資金管理を慎重に検討した上で戦略的にポジションを持つことを批判したりはしません。

しかしもう0円に近いのだからこれ以上は下がらないだろう、0円までロスカットに耐えられる余力があるからここで買ってやろうと考えているのであればそれは間違いです。

今一度考え直したほうがいいと思います。

ちなみに今は歴史的円安です。

それなのにこれだけ対円でトルコリラが暴落している。

もしここから円高に向かったらトルコリラ円は今以上に下落する恐れを秘めているということも忘れないでください。

通貨価値で重要なのは金利ではない

金利は確かに投資家・投機家の注目を集め、一時的に売買が促進される要素を持っています。

しかし、実際には高金利イコール通貨高というわけではありません。

それは高金利でも下落し続けるトルコリラ自体が一番の証拠ではあるのですが、他に例を出せば2022年9月に起きた歴史的なポンドの下落。

イギリスでトラス政権が発足、減税政策を発表したところ経済成長に不安を感じた市場が反応し、政策金利の高さにかかわらずポンドが大幅に下落しました。

また、比較的低金利を維持しているスイスフランは他の通貨と比べても大きく下落したりはしていません。

このように結局は通貨価値は金利によるのではなくその国の政策、将来性によるということを心にとめておく必要があります。

つまりアメリカ・イギリスの通貨価値が高騰しているのは、政策金利が現状に即しており、政策運営が適切だと市場が判断しているからということです。

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