メンタリストDaiGoが本当に言いたかったこと|ホームレス差別で炎上

2021年10月9日土曜日

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「必要のない命」ホームレスの意味するところ

1.松丸亮吾とホームレス差別メンタリストDaiGoとの関わり

2.メンタリストDaiGoが本当に言いたかったこと◄現在のページ

3.資本主義に翻弄されたメンタリストDaiGo

4.メンタリストDaiGoと本当に頭がいい人の経営戦略

5.メンタリストDaiGoと物乞いの達人わらしべ長者

6.自分が許せるものと社会に許されないもの

第2章.DaiGo氏が本当に言いたかったこと

弟の松丸亮吾氏の関与があらかじめ画策されたものではないと説明しましたが、私はDaiGo氏単独であっても、なおこれが炎上目的で発言したという風潮には否定的です。

繰り返しますが、炎上はあくまで結果であって、炎上目的で発言したのではないということです。

それは彼が別の目的で今回の発言をしたと考えているからです。

炎上発言から間もなく、稲葉剛氏が代表理事を務める生活困窮支援団体「つくろい東京ファンド」を含む4団体が緊急声明を文書という形で出しました。

やはり専門家らしい深い理解と知識によって今回の炎上問題を把握し、理路整然と生活保護とホームレスの問題について理解を読み手に促すとともに、DaiGo氏に適切な償いの指針を示し、再発防止のアクションを行政に訴えているところから多くの人から評価されました。

専門家らしいといえば、本来「ホームレス」が状態を示す用語としているため、路上生活者を指して「ホームレス」と呼ぶのではなく、しっかりと「ホームレスの人」と呼んでいます。

また当緊急声明は、DaiGo氏の差別発言についてのみ批判しており、ネットであるような炎上目的だというような憶測については一切触れていません。

この辺が、この緊急声明が単に価値観の違うDaiGo氏を貶めようとする目的で書かれたものではなく、問題解決の他には何物をも求めない洗練された文章になっているのだと思います。

このような支援団体で働く人は、毎日のようにホームレスの人や生活に困窮している人と会って話しています。

そしてホームレスの人や生活困窮者の中には、行政・近隣住民とのトラブルや生い立ちによる人間不信によって真実を話さないことはよくあります。

別人格を作り出して生活している人もいます。

ですから支援団体の人たちは、人が話す言葉と本心を別々のものとして捉えることに長けています。

DaiGo氏が人の心を操るパフォーマーであるならば、彼らは人の心を見破るプロです。

いえ、見破るというより、対峙者の言葉と本心を別々に理解する技術者といった方が正確でしょう。

相手の言葉をありのまま受け入れますし信じる・・・信用する余裕は確保しますが、それをうのみにはしないのです。

そういったこともあり緊急声明ではDaiGo氏の謝罪に対して「自らの発言の問題点を真に自覚していると評価することはできず、その反省と謝罪は単なるポーズの域を出ていないと言わざるを得ません」という評価をしたのでしょう。

そしておそらくですが、もしDaiGo氏に危険性がないと判断したら、こういう団体はあっさりと手を引くと思います。

一般の感覚にあるように、いつまでも根拠なく疑ったり、根に持ったりしません。

こういうところは司法とも似通っているところがあり、もし犯罪者が裁判で無罪になったらそれ以上は責めませんし、凶悪犯罪を犯した前科者であっても現時点で犯罪を犯していないのであればたとえ本人が犯罪行為を後悔していなくても更生したとみなします。

支援団体が気にしているのは、支援対象である生活困窮者が危険にさらされるか否か、それだけです。

一般的な感覚からするとさっぱりし過ぎていると感じるかもしれませんが、それが社会福祉の常識なのです。


ただ私個人の見解では、一部腑に落ちない点があります。

声明の中に「これらの発言は、差別を煽動する明確な意図に基づいて行われたものであり」とあります。

「明確な意図」というのは、DaiGo氏の本心を意味するものでしょうから、彼自身からヒアリングをしていない状態でそこまで言い切れるのかと疑問に思ったのです。

その後の「ヘイトクライムを誘発する危険のある、極めて悪質な発言と言わざるを得ません」というのはわかります。

これはDaiGo氏がインフルエンサーであること、ホームレスの人が実際に世の中の嫌悪にさらされている現状を考慮すれば、実際に事件を誘発する恐れは十分考えられるからです。

しかし「明確な意図」という強い言葉を使ったのは、この支援団体の正当性を訴えるためのいささか誘導的な文言に聞こえてしまいます。

たとえ表面的であっても、世論が判断するならばそれがその言葉の「明確な意図」と表現できるというのであれば、また話は変わってきますが、問題の追及や解明に関して、言葉の真意と世論の評価を分けての考察は重要です。

なぜならその後の対処と改善策が変わってくるからです。

「自分にとって必要の無い命は僕にとって軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい。いない方が良くない? 邪魔だしさ。プラスになんないしさ、臭いしさ。治安悪くなるしさ。もともと人間は自分たちの群れにそぐわない、群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きている。犯罪者を殺すのだって同じ」

緊急声明にも引用されていますが、冒頭で引用した新聞記事からDaiGo氏の発言を抜粋したものです。

ここで彼はホームレスを話題にしてはいるものの、内容は「自分にとって必要のない命」、「プラスになんない」とあくまで自分にとって利益にならないというものです。

これは憶測にすぎませんが、DaiGo氏は初めから自分のファンに向けて、少なくともこのライブ配信を見ている視聴者に向けてしか訴えていないのではないでしょうか。

もちろん多くの人たちはそれを理解した上で批判していると思います。

炎上目的ではなくとも、結果的に炎上し、それが注目のきっかけとなって利益となるビジネスモデルが倫理や秩序を乱すという考えであると思います。

同じく、私もこの発言がライブ配信の外に拡散されてたくさんの人から注目を浴び、批判を受けてそれをうまく処理し、最終的に知名度を上げようとまでは考えていなかったと思うのです。


では、彼の目的とは何か。彼の「意図」は何だったのか。

私の考えでは、それはファンに、もしくは視聴者に、「自分にお金を払う客になれ」と訴えているのではないかということです。

お金を払わない、つまり自分の利益にならないファンは、自分にとって価値が低いよと言いたかったというわけです。

これはお金を払わないならお前はファンじゃないと切り捨てているわけではありません。

ツイッターをフォローして、YouTube見てくれるのはありがたいんだけど、自分を応援してくれるならお金落としてよ、といったニュアンスです。

しかも押しつけがましくしたくないので非常に遠回しな言い方をしているというわけです。

ビジネス

彼は書籍を出し、YouTubeライブのスーパーチャット(投げ銭)を開放し、有料会員制のコミュニティーを持っています。

「彼はすごい」、「彼は頭がいい」ともてはやしてはくれるものの、みんながみんな本を買ってくれるわけではない、投げ銭してくれるわけではない、会員になってくれるわけではない。

自分のファンでいてくれるなら、もっと貢献してほしい。

そんな風に彼は思い巡らせていたのかもしれません。

これ自体に善悪をあてつけるのはふさわしくないと思います。

もし自分の商品がいいものだと信じていたら、それを多くの人に受け取ってほしいと考えるのは悪とは言えないと思います。

自分はみんなを満足させられる人物だと自信があるのであれば、もっと自分の考えを聞いてほしいものです。

そういった考えが頭をぐるぐるめぐるうちに、彼は生産性がないといわれる象徴、社会一般的に劣等感を覚える象徴であるホームレスが思い浮かんだのではないでしょうか。

「お金を落とさないファン・視聴者=ホームレス」と直結しているわけではないと思います。

しかし、一般的にホームレスになりたい人はいないという感覚から、自分にとって利益にならない人はホームレスと同じだよ?自分には無価値な存在だよ?それでもいいの?と訴えたのではないかということです。

「買ってください!加入してください!」と視聴者に媚びるのはダサい。

カリスマ性がなくなってしまう。

そこで自分にとって価値のないものを暗に示したものだと思われます。

ですから彼がホームレスを話題に出したのには深い意味はなく、また確固とした思想や信念もないと考えています。


もちろん彼が結果的に人権をはなはだ軽んじる発言をしたことが許されるわけではありません。

利益の獲得に邁進するあまり、拝金主義者となり、結果的に人権侵害に係る発言をした。

差別発言に無感覚になってしまったことは更生されるべきところでしょう。

無知だから、無意識だからと言ってホームレスの人や生活保護受給者を蔑んだり危険にさらしていいわけではありません。

経緯はどうであれ行為や発言には責任を取らなければなりません。

これにDaiGo氏の信奉者が影響され、ホームレスの人に危害を加えるという最悪の事態が想定されるのも当然です。

ただ私が言いたいのは彼の今回の炎上事件は、狡猾かつ計略的な炎上ではなく、その辺の迷惑ユーチューバーといわれる人間と同じように非常に短絡的かつ盲目的な炎上であるということです。

天才、IQが高く人の心が読めるといったのが外向きの顔だとすれば、その実態は社会に無知で、軽率で思慮が浅く、精神的にも未成熟であるということです。

34歳、立派な大人ではありますが、私たちが人を大人だと認識する理由は、主に自制心の有無で判断していることでしょう。

自分のしたいことを我慢する。

自分のしたいことを勇気をもってやる。

ネガティブな方面でもポジティブな方面でも、自分自身の判断で主導的に行っている姿が大人らしさということです。

しかし、実際は自身の意図よりも、社会的な役割によって自制心を働かされていることが多いのではないでしょうか。

つまり、30代であれば会社で役職についたり、家庭を持ったりして社会での要求が多くなります。

それが自制心を持つように促す補助的な役割を負うことになるのです。

一般の人にはこの役割や経験、知識により抑制が働いていた。

DaiGo氏にはなかった。

ですから外部からの抑止力がないことを除けば、彼はごく普通の青年なのです。


彼が常識から逸脱した行為をしたとすれば、それはなるべく多くの利益を上げたいというファン・視聴者への"プレッシャーがけ"から生じた発言だと考えます。

このプレッシャーがけが意図的だったのか、無意識だったのかはわかりません。

もし無意識であったのなら、先に培われた拝金主義と実力主義による価値観が生産性のない者に対する不満や疑問を生じさせ、それがファンへプレッシャーをかけているように見えたという全く逆の論法も成り立つことになります。

私の見方は的外れということです。

しかし、たとえそうだとしてもDaiGo氏自身がホームレスに対して憎悪や嫌悪を持っていたのかは断定できません。

ですからDaiGo氏の信奉者がホームレスに対して攻撃的になることは、彼の言いたかったことではないという可能性だけでも残しておきたい思いです。

他に理由があるとすれば、ファンとのシンパシーを得るために社会的弱者とされる人を一緒にいじめたりけなしたりして日頃のうっ憤をぶちまけたということでしょうか。

求心力を得るために共通の敵、もしくは弱い者いじめをするというのは、歴史上でも多くの為政者がとってきた手段ではありますが、私はDaiGo氏がそこまで残酷な人とは思わないのです。

またファンの人たちも彼の話の中から、ホームレスに対して執着して「そうだ!そうだ!」と声を上げているとも思えないのです。

DaiGo氏が好きな人の大半は、DaiGo氏が本当にホームレスの人を排除しようとして言っているとは考えていないと思っています。

ネコが好きすぎた、それでもいい。

ホームレスは話の皮の部分であって、核ではないと思うのです。

彼の言葉に何か裏はないのか?

これまでDaiGo氏の洞察を目の当たりにし、助けられてきたというフォロワーの方々、今こそ皆さんが彼の心を正しく読み、彼の生きざまも含めてその真意を理解する時ではないでしょうか。

第3章.資本主義に翻弄されたメンタリストDaiGo

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