セクハラという言葉は軽い?
言葉の改革と復古のはざまで
セクシャルハラスメントが事件として取り上げられるとSNS上ではよくこんな言葉を目にする。
「これはセクハラじゃなくて犯罪だろ」
「セクハラなんて軽い呼び方はやめて強制わいせつ罪にしろ」
皆、被害者に同情して正義感からこんなことをおっしゃっているのでしょう。
セクハラとはセクシャルハラスメントの略で、セクハラ(セクシャルハラスメント)に関する法律。これって法律的にセクハラ? | 労働問題の窓口 (roudou-mado.com)によると、「相手の意思に反して、不快感を与えたり不安な状態に追いこむ性的な言動や行為」ということです。
このセクシャルハラスメントを刑事上の名称に変えると、
- 公然わいせつ
- 強制わいせつ
- 強姦罪
- 準強制わいせつ
- 名誉棄損・侮辱
となるそうです。
そしてハラスメントと呼ばれていることは慣例上、上司や何らかの権力者からなど、被害者が被害を訴えにくい関係性での性犯罪を呼ぶことが多いと理解できます。
ただ、被害状況が明らかにひどい強姦罪などをあえてセクハラと言いなおしたりはしないでしょう。
セクシャルハラスメントの成り立ちについて日本では、1989年、晴野まゆみ氏が上司を訴え全面勝訴した日本初のセクハラ裁判から全国的に認知され、「セクシャルハラスメント」がその年の新語・流行語大賞に選ばれるほどになったと言います。
もともとセクシャルハラスメントはパワーハラスメントと同様、これまで犯罪と認識されていなかった職場や学校での上司・教師からの訴えにくい被害に声を上げることができるように普及が促された造語です。
Wikipediaにもあるように発祥はアメリカです。
社会が犯罪だと認知し、被害者が「強制わいせつ罪」というよりも言いやすい呼び方になっているはずです。
被害者を守るためなのです。
ですが、昨今ではセクハラは軽い言葉に捉えられているようで、とかく性被害から被害者を守りたいと公言する一部の正義感ある人達から蔑まれているように感じます。
この言葉・呼び名の改革と復古は別分野でも度々起こることですが、セクハラという言葉を普及させる人も、セクハラが軽すぎると訴える人も、志は同じ。
被害者を減らし、被害者がしかるべき賠償を受け、加害者が公正に裁かれることを望んでいると思います。
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