暴走しているのはアイドルではなくファンかも
暴言暴力を助長するスポーツ毒親
スポーツ毒親の記事によると、親が子どものスポーツクラブに参加する際、こんな光景があるようです。
コーチが子どもたちを整列させて一人ひとり平手打ちしていく。
他の保護者に「お子さん、たたかれちゃっていいんですか?」と尋ねたら、「あの子たちは全国大会に行くんだから、そのくらいしなきゃ」。何を寝ぼけたこと言ってるの? と言わんばかりに、不思議そうな顔で答えた。
スポーツクラブの指導者が所属している子どもたちにペナルティーとして体罰している。
これに共感できますか?
賛成する人もいれば、絶対に許せない人もいるでしょう。
今回は体育会系を売りにしているSKE48を題材に、ファンとしてアイドルのためになる応援とは何なのかを考えていきたいと思います。
最近、SKE48で新公演が披露されましたが、その楽曲の振り付けとダンス指導に牧野アンナ氏が起用されていました。
またSKE48関連のテレビ番組では牧野氏の厳しい指導やそれを発端にメンバーが議論し合う様子がドキュメンタリーとして放映されました。
これはテレビとして受け取ればいいのですが、気になったのはファンの反応です。
指導者が怒鳴ることが必要だというスタンス。
それが必要だという理解です。
これが今回のスポーツ毒親の言動と似ているなと思った次第です。
スポーツ毒親が厳しくしろと指導者に訴え、もともと厳しかった指導者がそれを支持と受け取りその方法を正攻法と解釈する。
指導者と親がスポーツ指導を暴走させる両輪となっていると指摘する下記の記事をご一読ください。
スポーツジャーナリストの島沢優子氏が自分の体験談をもとに書かれたものです。
親子の関係はアイドルとファンの関係に似ているところもありますし、似ていないところもあります。
親が子どもを育てるのは義務ですし、報酬は受け取りません。
ファンがアイドルを応援するのは義務ではないですし、お金を払っているのだからその対価として幸福感を求めるのはおかしなことではないでしょう。
共通点と言えば、子どもがその生活維持において親に依存しているように、アイドルもファンなしでは活動できません。
また、子どもが親の行動や教えから愛を感じ、社会に出て自立する手立てを受けるように、アイドルもまたファンから応援されて歌やダンスを頑張ろうと思えることもあるようです。
そこには人としての温情や感謝の交換があります。
アイドル通の人は知っているかもしれませんが、プランクスターズという広島のアイドルグループでTwitterを騒がせた事案が2021年にありました。
田中いろはという人が途中から加入したのですが、9カ月ほどで脱退しました。
理由はヲタクが気持ち悪いから。
【大切なお知らせ】
— プランクスターズ | official (@planckstars) June 10, 2021
メンバー田中いろはですが、プランクスターズの活動を8月末まで休止する事になりました。 pic.twitter.com/pQDnjonW1o
ここまで直接的な文面を公開したプランクスターズの運営の意図はわかりません。
また、このグループはもともと気持ち悪さを方向性の一つとしていたようなので、ファンも純粋に気持ち悪さを出すことが応援の様式と捉えていたのでしょう。
どちらが悪いとは私からは言えません。
しかし、過剰だった、エスカレートして許容範囲を超えてしまったと考えることはできます。
SKE48のファンとして参考にできる部分もあります。
SKE48は体育会系という方向性です。
それに合わせてファンが体育会系の応援をします。
集まるファンも元々体育会系が好きな人でしょう。
ファンもそれが正当な応援の仕方だとの思い出一生懸命応援します。
しかし、その応援の仕方に拍車がかかってもっともっととなっていったら、そこに暴力性が生まれる恐れはあります。
アイドルは内心、心苦しく思い始めているかもしれません。
そしてそのアイドルが活動休止か卒業発表して、本当は苦しかった、過剰だったと初めて気づくことになるのです。
そこで私たちファンは一つの現実を突き付けられることになります。
「あなたはグループを推すのか、それともアイドル一個人を推すのか」
グループを推すことを選んだ人は、ついていけないアイドルに脱退するように促すかもしれません。
アイドル一個人を推す人はグループの方向性に疑問を持つかもしれません。
大切なのはそこに常軌を逸したコミュニティ独自の価値観を定着させないことです。
スポーツ毒親と指導者のコミュニティが作り出す"大人のイジメ"が常態化しないように気を付けることです。
アイドルの応援の仕方から自分自身を見直す
親も指導者も人間です。
思い通りにいかなければ欠点を責め立てたり、怒鳴ったりすることもあるでしょう。
しかしそれは美化したり正当化することではありません。
注意されるべきことをされた側はその注意された内容を受け止めるべきですが、注意した側にはいつも注意の仕方が適切だったか自問自答する必要があります。
アイドルを気分よく自分の稼いだお金で応援しているのに、そのスタイルを一々指摘されて気分を害した方もいらっしゃるでしょう。
それは申し訳なく思います。
多くのファンの方は立ち止まる冷静さと客観的な視点をもってアイドルを見守っていると思います。
これはむしろ、アイドルの応援の仕方で自分の人となりを再認識する機会であるともいえます。
家庭や職場や学校、子どもや部下や後輩への接し方が同じでないかアイドルへの応援を通して再確認できるということです。
もし毒ファンの要素が見られたら、それを周囲の人にやっていないか見直すのもいいのではないでしょうか。
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