秋元の気持ち悪い歌詞と女性選手にワイセツ発言させた元監督の共通点

2022年5月14日土曜日

芸能レビュー

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秋元康氏はわいせつ発言をさせたのか

問題視されている歌詞

今、巷で話題になっている秋元康氏への嫌悪感。

Twitterで拡散されているこれ↓ 

ツイッターの批判に当たる歌詞を示すとすると以下のようになります。

「定期的に恋をしないとね、劣化していくよ(蜘蛛の巣 ほら張ってるよ)」

「食欲が性欲に勝ってるなんてなんか悲しいね」

「女の子の賞味期限あっという間に過ぎちゃう」

ここまでがツイッターに上げられていた部分です。

その後も恋を急かすような歌詞となっていますが同じようなものの繰り返しです。

蜘蛛の巣というのは長い間、性交渉のない女性に対して言う蔑視の隠語らしいです。

ネットで検索してもあまり見かけない言葉です。

私は初めて聞いた言葉でしたので感覚がまだつかめていないのですが、もしそれが世間一般に蔑視と捉えられる言葉と浸透しているなら秋元氏は言い逃れできないでしょう。

それに恋愛イコール性行為と結び付けているところもフリーセックス的で嫌悪感を感じる人もいる気がします。

比較的性に開放的な日本とはいえ、あからさまに性交渉を念頭に恋愛を求める姿は世間体がいいとは言えません。

また性欲という言葉が実際に批判に当たるかどうかはこれまた判断の分かれる所でしょう。

いくら若い女の子に言わせているとはいえ、中学高校の保健の授業でも使う正式な言葉ですし、純文学にも出てくるでしょうし、医学などの学術的な言葉としても出てきます。

また恋愛感情と性欲が密接な関係にあることに間違いはありません。

ただ例えこの件について、蜘蛛の巣は本当に虫のクモの巣のことで他意はないと言い訳が立っても、性欲が下品な意味ではないと解釈されても次の文言はなかなか擁護できないと思います。

「女の子の賞味期限あっという間に過ぎちゃう」

賞味期限というのは廃棄する時期、使い物にならない時期を連想させます。

「女の子は価値がなくなる」と解釈できるのです。

それが年を重ねると肌に張りがなくなるからなのか、髪の毛にツヤがなくなるからなのか、体形が崩れるからなのか、妊娠の確立が低下するからなのかはっきりとはわかりませんが、それこそ単純に年をとるだけで価値がなくなるとも解釈できます。

かなり前、2008年の出来事ですが、歌手の倖田來未さんが女性が高齢になると「羊水が腐る」と発言してバッシングを受けました。

羊水が腐るの意味は?正論?年齢や根拠・倖田來未の問題発言と謝罪まとめ (newsee-media.com)

彼女はおそらく聞きかじった話をラジオで発言したものと思われます。

羊水が腐るというのに医学的根拠はないそうですし、高齢になると妊娠出産が大変になるというのが事実だとしても、その発言のデリカシーのなさに向けて批判されたということです。

女の子の賞味期限にしてみても、女性が年を取ったからと言って価値がなくなるわけではありません。

若さや少女的なものに惹かれるのは個人的な好みの問題です。

それが秋元康氏の思想であるなら、世間がそれを批判するのも当然というものでしょう。

思想も問題かもしれませんが、表現の仕方も十分批判されるに値します。

下品な歌詞もキラキラに見せるアイドルの力

取り上げられているのは彼がNMB48に提供した「恋を急げ」という楽曲。

NMB48の公式YouTubeチャンネルで視聴することができます。

確かに歌っています。

ショートバージョンですが一番の歌詞に上記の部分が丸々入っています。

興味深いのが冒頭のTwitterでの批判の時期まで、当動画のコメント欄は絶賛の嵐というところです。

さすがに該当箇所を称賛しているコメントは見かけませんでしたが、「歌が可愛い」という評価は見かけます。

音楽の力恐るべしと言ったところでしょうか。

そしてアイドルの力にも恐れ入ったといったところです。

ちなみにこの楽曲のMVに参加しているアイドルは以下になります。

名前(当時の年齢)を記します。

チームM:

東由樹(20)、石塚朱莉(18)、植村梓(17)、鵜野みずき(19)、沖田彩華(20)、川上礼奈(20)、木下百花(19)、久代梨奈(17)、武井紗良(17)、谷川愛梨(20)、中野麗来(16)、藤江れいな(22)、松村芽久未(20)、三田麻央(20)、村瀬紗英(19)、森田彩花(20)、矢倉楓子(19)

チームM/AKB48チームA:

白間美瑠(18)

研究生:

柴田優衣(18)、堀詩音(19)

【MV】 恋を急げ (Short ver.) / NMB48 team M [公式] | マスターのAKB48G・坂道G応援ブログ (ameblo.jp)

上は22歳、最年少は16歳です。高校1年生から大学4年生に当たる年齢の女性が歌わされていたことになります。

スポーツ界隈で処分を受けた人

これを見てちょっと思い出したのが女子サッカーチームの女子選手らにポルトガル語で陰部を意味する言葉をかけ声に言わせていたという監督の話。

サッカー練習中のかけ声はポルトガル語で「陰部」…元監督、中学女子選手らに強要 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp) 

被害を受けていたのは中学生の女性。

卑猥な言葉を言わされる被害に年齢は関係ないかもしれませんが、ことに未成年となれば児童虐待の疑いも出てきます。(通常、児童虐待は親から子への加害行為を指しますが、親以外でも使用される例が認められたためここで使用します)

結局、日本サッカー協会の裁定委員会が監督に1年間のサッカー関連の活動を禁止することを懲罰としました。

懲罰自体はニュースにされた割には軽く感じる処分です。

ただ、彼にサッカー関連の居場所がなくなったと見られる結末が最大の効果に思えます。

秋元氏の件に話を戻しますと、アイドル達は蜘蛛の巣を隠語と知らずに歌わされたのか、それとも知っていた、もしくは説明を受けて歌わされたかによっても心情が変わってくるでしょう。

知らずに歌っていたらそれは騙された気持ちにもなりそうです。

知っていて歌っていたということはそのような言葉にあまり抵抗がなかったのか、アイドルを続けるために黙認せざるを得なかったのか。

説明を受けていたらそれはそれで故意犯という決定的な証拠となる。

そして彼女たちは歌わされたのか、自ら歌いたいと思ったのか。

少なくとも彼女たちが歌詞を変えるように秋元氏に訴えたり、楽曲参加への拒否を運営にお願いするのは難しかったであろうことは容易に想像できます。

責任を追及するなら秋元康氏とNMB48運営の責任者にあります。

それでもここは芸能界。

しかも沢山の人々を魅了するアイドル達をたくさん生み出しているプロデューサー。

自分で仕事を作って、人に仕事を与える力のある人ですのでちょっとやそっとの批判ではその地位は揺らぎそうもありません。

もし、これで秋元康氏になんのとがめもないとしたら、それこそ一般人と芸能界の見方が乖離されている証左ともなります。

ただ、そもそもスポーツで卑猥な言葉を言わせるのと、芸術で言わせるのでは目的が違うためとがめを受けないという論調は多少理解できます。

スポーツでは卑猥な言葉を言わせる目的は一切見当たらず正当化できません。

しかし芸術の面で言えば秋元氏がこういう作品を作り、こういう思想を世の中に訴えたいとなれば表現の自由が適用されるでしょう。

ですからこの件は視聴者の単純な好き嫌いや嫌悪感として秋元氏のビジネスに影響を与えるにとどまるということで落ち着きそうです。

なぜこのような批判が今頃になって噴出したのかと言えば、秋元康氏が今年(2022年)4月に紫綬褒章を与えられたところへのたしなめであると思われます。

これまでも彼の下品な歌詞については嫌悪感を抱く人もいましたし話題にもなっていましたが、批判がここまで勢力を束ねることはありませんでした。

それが今回彼が栄誉を受けたことでそれに対するプロテスタントが起こったということでしょう。

秋元氏の今後の対応を予想しますと、前例に倣ってこれがもう少し大事に取り上げられた場合おそらく表舞台からしばらく姿を消し、炎上が自然沈下した頃に必要であれば現れるといった感じでしょうか。


「同じ紫綬褒章を受けた人にサザンオールスターズの桑田佳祐さんがいるじゃないか。彼も卑猥な歌詞を書いてきた」という人もいるみたいですが、自分で書いて自分で歌うのと、出世がかかっているアイドルに歌わせるのとでは意味合いが違ってきます。

今回は女性に歌わせたことを批判の要点にして論じています。

秋元氏がなぜこんな歌詞を書いたのか。

それはたぶん人目を惹くためでしょう。

奇抜な歌詞を書いて批判も織り込み話題になればいいといったところだと思います。

彼はちょっと炎上商法ウェルカムなところが見受けられるからです。

しかし、それはファンが擁護する勢力が強い時に一過性の成功を見るものです。

ファンに擁護されるか忘れ去られるのを待つか。

例えばNGT48の暴行事件の経緯を見ると、事態の収拾については戦略というよりも本当にどうすればいいのかわからないからそうしているようにも見受けられます。

今回はリリースから6年後。

当時の歌唱メンバーはすでに大半が卒業していて擁護してくれるのは秋元康氏生粋のファンかNMB48そのものを好きだという人くらいでしょう。

批判をプラスに替えられるほどの勢いがあるとは思いません。

とは言ってもこの批判自体、見たところ小規模であり世間を巻き込むほどにも見えません。

それにNMB48のファンだけでなく未だにメディアを席巻する乃木坂46をはじめとする坂道系のファンも秋元康氏に見限られてはいけないと自分の推しのために彼を擁護するかもしれません。

そう言ったわけで今回の炎上は秋元康氏に即座に悪影響を与えるような案件にはならないと思われますが、少女に卑猥な歌を歌わせた確かな証拠として不発弾や地雷のように今後の彼の仕事にダメージを与えるミスになりそうです。

アイドルたちに罪はない

私自身はかつては秋元康氏の「川の流れのように」がいい曲だなと子どもながらに思っていて、AKB商法にちょっと嫌悪を感じアイドル自体も好まなかったのですが、最近になって応援したいなと思えるアイドルと出会い好意的に見るようになっていました。

私が推しているアイドルもNMB48が好きで、それきっかけでアイドルになったそうです。

私のブログでもいくつか秋元康氏から誕生したアイドルの記事を書かせてもらっています。

アイドル志望の子は、最初はきらびやかな表の世界にあこがれて入ろうとします。

商業的なことや内部の駆け引きなどは頭にありません。

そして入ってからもアイドルは純粋に夢をもって歌やダンスを練習し、ステージに立っています。

運営に黒い部分があってもアイドルのファンに対する応援してほしい気持ちと感謝の気持ちは本物であり綺麗なものだと信じています。

この楽曲は汚れ仕事だと認識している人もいたかもしれません。

それでも将来の糧になるのではと断れなかったのかもしれません。

売れなければならないのはわかりますが、彼女たちやファンに恥をかかせない運営に心血を注いでほしいものです。

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