単語の登録機能の使い方上級編
お仕事でパソコンを使っていますか?
一日の業務でどのくらい打ち込むでしょうか?
日々の業務に追われてストレスやプレッシャーを感じていませんか?
もしそれを10分の1にすることができたら体にも心にも今よりぐっと余裕ができるはず。
今日はそれをお手伝いできるかもしれない技術の一つを共有したいと思います。
先ずこれが有効な業務をざっくり言いますと、データ入力です。
業務内容的に言えば、同じ言葉や文章を繰り返す作業です。
データ入力にも様々な種類があります。
コールセンターでお客様の情報や受け答えを入力する。
注文の発送のために商品名や数量を入力する。
メールであいさつや返信をする。
様々な場面で行う同じ作業をひとまとめにしてしまえば、能率はぐっと上がります。
さて、このタイピングを10倍速くする方法は、【単語の登録】機能を上手く使って行います。
普通の単語登録
「単語の登録」の存在を知っている人はたくさんいると思います。
多くの人は単語という言葉から、短い言葉だけに使っているのではないでしょうか。
人の名前や地名など、読み仮名と漢字が常用でなく変換されない場合に使うと便利です。
例えば、結茜と書いて"ゆあ"と読むお客さんの担当になったとしましょう。
恐らく初めて"ゆあ"と打ってもその漢字に変換はされません。
そこでどうするかというと、"むすぶあかね"もしくは"けつあかね"と打って一つ一つ適切な漢字に変換させていくと思います。
ですから文面では"佐々木結茜さん"となりますが打ち込んでいる人は毎回"ささきむすぶあかねさん"と打っていることになります。
ここで何が問題かというと、本来は"ゆあ"と2文字分打てばいいものを、"むすぶあかね"と5文字分打たなければならなくなっています。
"けつあかね"でも4文字。
デメリットはこれだけでなく、万が一誤字のまま気づかず文書を作成してしまったら、相手はわかってくれるとは思いますが、不快な気持ちになるでしょう。
それはお客さんを相手にする商売では避けたいものです。
また"むすぶあかね"と打って記憶させておいた場合、次に別の文章で"むすぶ"を打った時、送り仮名なしの"結"に変換されてしまい脱字を誘発してしまいます。
このように効率化の面でも、誤字脱字による信用にかかわるデメリットの面でも単語登録は大切な機能になります。
単語の登録で1度、単語に「結茜」、よみに「ゆあ」と入力して品詞を人名にして登録しておけば、その後ずっと"ゆあ"と打っただけで"結茜"と変換してくれるようになります。
さて、ここまでは単語登録機能を知っている人であれば、普通に使っていたと思います。
では、"結茜"ではなくいつも"佐々木結茜"と打たなければならない文章ではどうでしょう。
"ささき"と打って"佐々木結茜"と出てくれればタイピングにしてSASAKIYUA(9打)からSASAKI(6打)までに短縮することができます。
方法は先ほどと同じ、単語登録機能を呼び出し、単語に「佐々木結茜」、よみに「ささき」と入力すればOKです。
このように単語登録は、自由自在な機能です。
なんなら"おこめ"と打って"フランスパン"と変換させることも可能なのです。
さらなる短縮!単語登録の極みへ
そこでこれをさらに柔軟に使っていきます。
もう"ささき"って打つのも面倒くさいから、"s"だけでいいやと、単語に「佐々木結茜」、よみに「s」と入力してみてください。
「s」と打って変換すれば「佐々木結茜」と出てきます。
最初の"SASAKIYUA"(9打)から"s"の(1打)まで短縮できました。
どんなにタイピングが早くても1打には敵いません。
ただ、実際の業務では佐々木結茜さんだけがお客さんではありません。
もっとたくさんいます。
ですからもう一人佐々木さんがいたら、もしくは"s"で始まる佐藤、斎藤、島田などなど、どうするのか・・・。
この場合、全部「s」で登録できます。
単語に佐々木結茜、よみにs。
単語に佐藤修、よみにs。
単語に斎藤裕也、よみにs。
単語に島田今日子、よみにs。
こうやって全部sで登録した場合どうなるかというと、sを打って変換すると、候補に4名の名前が羅列されることになります。
そして適切なものを選ぶのです。
ただこれは先ほど言った誤字の要因にもなりかねません。
他人のフルネームが紛れてしまったら個人情報保護の観点から重大な問題になりかねません。
個人情報保護の決まりが厳しい昨今、非常に高いリスクを負うことになります。
ですから私だったら、単語に"佐々木結茜"、よみに"sy"とイニシャル風に入力して、バリエーションを増やすか、変換しにくい名前だけにとどめます。
この辺は顧客の数、業務の内容により臨機応変に対応していきます。
単語ではなく文章まで単語登録!
人名を例に説明しましたが、単語登録機能の自由度の高さはお判りいただけたと思います。
これを応用して、例えばメールの「お世話になっております。」を、単語に「お世話になっております。」、よみに「お」を入力すれば、1打で20打分入力することができるのです。
さらに「平素より大変お世話になっております。」などのもっと長い文章も1打で入力可能です。
ただし、単語登録では改行はできません。
改行するような長い文章は、改行ごとに分割して登録するか、メモ機能などにコピペ用の文章を用意しておくといいでしょう。
半角や英語、記号も単語登録!
次は商品の受注と発注の入力を例にしてみます。
会社の使っているデータ入力のソフトにもよりますが、私が働いていたところでは注文数を"1ケ"と表記しなければいけませんでした。
これを1と数字を打って、半角のケをつけるのが非常に面倒な作業でした。
これは古い慣習に倣っていたことなので、効率を考えて変えることができれば簡単だったのですが、当時バイト以上社員未満の新人の私の立場では変に波風立てられる雰囲気ではありませんでした。
そこで自分なりに効率のいい方法を考え、単語登録の単語に「1ケ」、よみに「1」で登録しました。
これで1と打っただけで1ケと出るようになりました。
これを同じように9まで登録していきました。
そして10個以上の注文は、単語に「ケ」、よみに「k」で登録して「数字」+「ケ」で対応するようになりました。
またその他にも商品名、例えば携帯を取り扱う業務であれば、
単語に「Xperia 5 III SO-53B ブラック」、よみに「x5b」
単語に「Xperia 10 III SO-52B ホワイト」、よみに「x10w」
単語に「Galaxy A21 SC-42A レッド」、よみに「g21r」
単語に「iPhone 12 mini パープル」、よみに「い12mp」
と要所要所のキーワードで構成して登録していけば後々作業は簡単になります。
登録すべき単語とそうでない単語
ただここで重要なのが、単語を登録するに見合う効果があるかどうかです。
登録だけでも手間がかかります。
登録しても2度と使うことがないようなものは登録する意味がありません。
登録するのにふさわしい単語を見つけるコツは、「2回出会ったら登録」です。
「二度あることは三度ある」ということわざがありますよね。
この言葉はデータ入力の業務では金言です。
1度目は登録するか様子見です。
もし短いスパンで2度あったらおそらくまた来ます。
登録しましょう。
単語登録の威力
では私が単語登録を使ってどのくらいタイピングの効率化ができたか例文を使ってお見せします。
「012-3456-7890に2度目の架電。近藤茂様が対応。通院のため多忙。土日の午前中は比較的暇。携帯の新規加入については興味あり。シニア向けスマホをご希望。パソコンはウィンドウズ10を使用。Wi-Fi環境なし。タブレットなし。セキュリティー対策はウイルスバスターを使用。」
上記の文章が単語登録を使ったタイピングで下記のように短くなります。
「012-3456-78902k●近藤●t●通院●tb●dzh●さ●し●w10●wn●tn●うb●」
この内訳は以下の通りです。
[]で囲んである部分が単語登録した語、それ以外は手動で打ったところです。
()はそれ以前の語に何を登録したかが示されています。
「012-3456-7890(システムからのコピペ)[2k(に2度目の架電。)]近藤茂[t(が対応。)]通院[tb(のため多忙。)][dzh(土日の午前中は比較的暇。)][さ(携帯の新規加入については興味あり。)][し(シニア向けスマホをご希望。)][w10(パソコンはウィンドウズ10を使用。)][wn(Wi-Fi環境なし。)][tn(タブレットなし。)][うb(セキュリティー対策はウイルスバスターを使用。)]」
「nidomenokaden. kondoushigerusamagataiou. tuuinnotametabou. donitinogozentyuuhahikakutekihima. keitainosinnkikanyuunituitehakyoumiari. siniamukesumahowogokibou. pasokonnhawinndouzu10wosiyou. waifaikannkyounasi. taburettonasi. sekyuritexi-taisakuhauirusubasuta-wosiyou. 」
例文を全部打ったら、変換用のスペースを含めて268打です。
では単語登録を使ったらどうなるでしょうか。
「2k kondoushigeru t tuuin tb dzh sa si w10 wn tn ub 」
変換用のスペースを含めて50打。
およそ5分の1です。
そして変換は一度で目的の語に変わるとは限りませんのでもう少し手間がかかる恐れがあります。
単語登録を使えばそのような変換の手間も回避することができます。
自分には合わないと思った人へ
中にはこれを見て、「こんな複雑で面倒くさいことやってられるか」と思われる方もいるかもしれません。
ちょっと待ってください。
もし完成された単語登録を渡されて、いきなりこれをやれと言われたら、勧めている私でも手に負えません。
これは自分で作っていくからこそ身についていくのです。
「お世話になっております」を短縮するなら初めは「おせわ」から始めてみてください。
それでも煩わしいと感じた時に「お」までさらに短縮していけばいいのです。
いきなり「お」は「お世話になりますだぞ!」と人から教えられても覚えられるわけがありません。
これは自分で入力して「めんどくさい!」という不満から自発的にやって初めて馴染んでいく方法なのです。
そうすればどれを登録したか覚えて活用していくことができます。
単語登録を妨げる誘惑
さて、この単語登録を妨げるおそらく唯一といっていい誘惑は、後で単語登録しとこうというものです。
今忙しいからとりあえず手動で打っておこうと考えるのです。
ですがそれをやっているといつまでも先延ばしになってしまいます。
そして「ああ、これ単語登録しとけば早くなったのになぁ」と心の中でがっかりしながらやり過ごすことになります。
ですから本当に忙し時以外は、今後の投資だと思って登録してください。
私の場合は単語登録をその場ですることなく、1日の間に頻繁に使った言葉をメモしておき、次の日の仕事始めもしくは始業前の時間に登録していきました。
こうして毎日単語登録の語録を増やしていったのです。
ですから2度以上であって煩わしい、めんどくさいと思った感情を無視することなく、そこは業務的かつ義務的に丁寧に登録していくことをおすすめします。
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