センスある人がかえってすぐに外に出ない理由
少し前に職人の現場を知るものとしてホリエモンこと堀江貴文さんの寿司職人が何年も修行するのはバカ」という発言について自分なりの考えをホリエモンの「寿司職人何年も修行するのはバカ」に職人が思う事に書きました。
もちろん私は寿司職人ではなくどちらかというと建築関係ですが、共通するところはあったと思います。
ホリエモン「寿司職人が何年も修行するのはバカ」発言 数か月で独り立ちの寿司はうまいか?: J-CAST ニュース【全文表示】
その後、少し考えていたのですが、職人が何年も修行するメリットがもう一つありました。
それは知床観光船の海難事故で亡くなった船長のニュースを見た時に再確認したものです。
船長の評価について二つの意見を取り上げます。
一つはベテランの船長たちから「センスがある」と評されたこと。
「センスがある」 他の船長の評価聞き、採用後間もなく船長昇格 - 産経ニュース (sankei.com)
もう一つは「湖みたいな所で働いていたと聞いたが、ここでは素人みたいなもの。23日は観光船が走れる状況ではなく、私は船を出さなかった」との評価です。
事故船の船長 フェイスブックに投稿していた「ブラック企業で右往左往」― スポニチ Sponichi Annex 社会
この亡くなられた船長はもともと水陸両用車のドライバーでした。
仕事は真面目で覚えも早く、周囲から信頼されていたことが伺えますが、それは通常時の場合。
事故当日のような悪天候には対処するだけの経験がなかったと推察されます。
ニュース記事の中にもありますが、慣例として採用後は甲板員としてベテランの船長の元、3年働くことになっていたそうです。
彼が通常より早く昇格し船長になった経緯には人員不足も考えられるので「センスがある」という評価を、会社の社長は自分に都合のいいように受け取って判断したのかもしれません。
センスがあったのは本当のことでしょう。
ですからなおさら訓練期間を怠ったことで人命は言うまでもなく貴重な人材をも失ってしまったのです。
そう考えると例えセンスがあってもベテランの元で下積みする期間には意味があります。
それはセンスがある人を大切に育てることなのです。
寿司職人ももし食中毒などでも起こしてしまったら職人としての生命を絶たれてしまいます。
師から期待され大切に育てられた弟子のことを"秘蔵っ子"という言い方をします。
類語では他に、"とっておき"や”秘密兵器”と呼ぶこともあります。
「秘蔵っ子」とは?意味や使い方をご紹介 | コトバの意味辞典 (word-dictionary.jp)
どれも人々の目から隠されているニュアンスを持っています。
師匠やベテランが責任をとれる体制というのは、センスがある人が本当の実力を身に着けるために大切です。
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