ウクライナ侵略|橋下徹氏の「戦争と津波が同じ」は正しいのか

2022年4月7日木曜日

社会

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戦争と津波での避難は同列に考えられるのか。

逃げるたってどこへ逃げるんだ?(クロトワ風)

度々、ウクライナ情勢でお騒がせしている評論家の橋下徹氏。

戦争における避難を災害時の避難に例えていますがこれは正しいのでしょうか。

これに続くスレッドでは「 津波を防ぐ力がないのなら逃げるしかありません」と締めくくっています。

戦争と津波の決定的な違いは、津波には意思がなく人を追いかけたり囲ったりしないということでしょう。

ウクライナ人が逃げようとすればロシア軍がそちらに進軍するか、もしくはミサイル攻撃することも考えられます。

あまり目立った動きはできません。

しかしここではそれらの違いを踏まえた上で、あえて同等のものと考えられるよう試みてみようと思います。

避難には一時的なもの、中期的なもの、そして長期的なものがあります。

津波で言えば「高台に逃げる」、「避難所に集まる」、「仮設住宅で暮らす」などです。

橋下氏がいう非難がこれら三つのことのどれかを指しているとすれば、戦争に当てはめてみると次のようになると思います。

「弾丸や爆風から伏せて身を守る」、「避難所に集まる」、「バリケードを築いて徹底抗戦する」

もし、橋下氏が避難を国外退避や隣の町に逃げることを指しているのであれば、この津波と同類に語ることは適切ではなくなります。

津波の被害を受けている人で避難している人たちの多くは県外はおろか自分の町からも出られていないからです。

戦争がないところへ移動するというのなら、災害で言えば日本人は全員、オーストラリアにでも渡航しなければならないということです。

それほど人の移動というのは難しい物なのであり、非現実的なのです。

過去に津波関連で福島原発事故による避難はピーク時で約16万人に達しました。

避難指示区域の状況 - ふくしま復興ステーション - 福島県ホームページ (fukushima.lg.jp)

そして避難のストレスから死亡した関連死では1000人を超えています。

避難しても人は死ぬのです。

福島原発事故を参考にしても、移動距離に関してはウクライナで言う安全圏に達する程の距離と人口には至りませんし、ミサイルなどがあるためそもそもどこに行っても安全性に確証はありません。

ましてや戦争ともなれば敵の包囲網から逃れなければなりません。

大人数で不十分な装備しかなければ被害を拡大させることになります。

マリウポリの劇場がミサイル攻撃を受け、そこに避難していた多くの人が犠牲になったことは記憶に新しいでしょう。

マリウポリ 劇場に攻撃 「最大の激戦地」で いま何が | NHK | ウクライナ情勢

ウクライナの人たちはできる限りの状況ですでに避難しています。

そして避難していても被害は受けます。

人道回廊もそうでした。

ロシア軍への反撃はロシア軍に対して物理的にも心理的にもその進軍を遅らせ、市民の命を伸ばす手立てとなっていると考えられます。

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