「プーチン大統領を信じている」
プルシェンコ氏の姿勢を多角的に追ってみる
ロシアによるウクライナ侵攻が激化する中、ロシアの有名スポーツ選手らのSNS発信が物議をかもしています。
男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が敬愛していることで日本でも注目を浴びたロシア人のプルシェンコ氏、彼がプーチン大統領を擁護するかのような文言をInstagramで訴えたのです。
今回の戦争に関してウクライナ寄りが多数の日本では当然、この投稿に対する批判が相次ぎました。
抜粋して掲載します。
「誰もが平和を望んでいて、私も望んでいます。できるだけ早くすべてが終わり、交渉が実を結ぶことを心から願っています。私は大統領を信じています!」
「大統領を信じている」という言葉を素直に解釈すると、「大統領の判断を尊重する」、「大統領の言葉に従う」といったニュアンスにもなります。
ということはプーチン大統領が指示した武力によるウクライナ侵攻を是とするのだから当然批判されます。
ただ、これに猛反発する人たちもいました。
「大統領を信じている」というのは、プルシェンコ氏は今回のウクライナ侵攻をよいこととは思っておらず、大統領が考えなおし正気に戻ってくれることを信じているといった解釈です。
プルシェンコの“大統領を信じてる”発言の真意を専門家が分析「プーチンへの皮肉」 (2022年3月17日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)
記事の中で筑波大学の中村逸郎教授という方も、この「信じている」は皮肉だという立場をとっています。
私もそうだろうと思っていました。
プルシェンコ氏のことは羽生結弦選手を励ました言葉などで一目置いていたからです。
当然このような人の命を奪うようなやり方に異議を唱える正義と勇気があると思えたからです。
そしてネットでプルシェンコ氏のことを批判している人に対して、「早とちりでは」とか「国語の理解力がないのでは」と瞬間的に思ってしまったのです。
真意をつかむのはなかなか難しい物ですので断言はできません。
しかし時間の経過とともに情報収集が進み、プルシェンコ氏への批判はもっぱら正しいのではないかと思いなおすようになりました。
人の言葉の意味を理解するための有力な方法は、その人の言葉一つに捉われるのではなく複数の言動をチェックしてみることです。
プルシェンコ氏の行動を見てみますと・・・。
ウクライナ批判の投稿にいいねを押していたり、ロシア政府の意向にも賛同している様子を見せていたようです。
ということは本当にプルシェンコ氏はロシアによるウクライナ侵攻は正当なものであり、外国の方がそれを理解していないと信じているということも考えられます。
プルシェンコ氏の平和を望んでいるという言葉に偽りはないと思います。
しかしそれはロシア側からみた、ロシア都合の平和であり、ウクライナが素直に降伏してロシアの意向に従うことによって実現するものだと思っていることも十分考えられます。
そしてそれはロシアに住み、ロシアで成功し、ロシアから最大限の恩恵を受けている功績を残した選手、またそれを支えるスポーツ界でその傾向がより一層強くなるのかもしれません。
【ウクライナ侵攻】ロシア「愛国主義教育」による道徳の欠如…スポーツ界もドップリ、「Z」マーク装着の波紋|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)
これは私たち外の人間の感覚ではなかなか理解しがたいものだということは頭に入れておいた方がよさそうです。
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