ネコが教えてくれる「好かれるよりも、まず嫌われないという大切さ」
ネコと人間の似通った習性
人間は好意を寄せる人と目を合わせたり見つめ合ったりするけれど、猫にとっては目を合わせないことが好意の印だと。
確かにそういうことはありますが、でも必ずしも全部の場面でそういうわけではないことがあると思いませんか?
例えばネコがエサを欲しがって来るとき、遊んでほしいとき、これでもかというほど飼い主を見つめて激しく鳴いたりします。
逆に人間の場合でも、好きな人と目が合うと相手に気持ちを悟られまいととっさに目をそらせたり、気にはなるけどあえて見ないようにするとか、好意の表現が変化することはあります。
会社で誰かが怒られていたり、失敗して落ち込んだりしている時も、じろじろと見たりしませんよね。
偏に相手に好かれようとするというよりも相手に嫌われないようにすることに重点を置いた所作と言えそうです。
私たち人間はペットだからということでいきなり猫を抱きしめたり、猫に顔を擦りつけたり、抱っこしたりすることがあるかもしれません。
愛情表現は嬉しいはずだと思いますよね。
でも本当に猫は喜んでいるのでしょうか。
猫同士のコミュニケーションを見ると鼻をくっつけたりお尻のにおいをかいだりとやはり挨拶から始めます。
飼い主に反抗しないのはエサをくれるから、自分より力の強い存在だからということだけとも考えられます。
言葉がないだけで意外と猫はマナーに厳しいのかも。
ですからネコと人間にはコミュニケーションにおいて共通しているところもあるのではないかと思った次第です
中国では様々な拳法があります。
カンフーや少林寺拳法などオーソドックスなものもあれば、ジャッキーチェンで有名になった酔拳や蛇拳など一風変わったものも。
その中には動物の動きをまねたものもたくさんあるようです。
拳法は護身用にも用いられたといいますが、法整備が進み比較的治安のよくなった現代、実際に使う機会はめったにないでしょう。
それよりも今はスポーツやエクササイズとして、また精神的な訓練としてやっている人が多い気がします。
そうはいっても物騒な世の中ですから依然として護身用としての需要はあると思っています。
それよりも生活に直結した人とのかかわりあい方を学ぶことの方が多いかもしれません。
コミュニケーション力をテーマにした啓発本はたくさん売られているし、スクールまであります。
このコミュニケーション力も動物から学べることはあるかもしれません。
人当たりの良さと、頭の回転の速さで、巧みな話術でスパイのように他人の懐に入り込み、出世街道まっしぐら。
それはそれでじっくり学ぶとして、今回は動物の中でも、人間と長く共生してきたネコだからこそ学べる距離感に焦点を当てつつ、庶民的なコミュニケーション能力について考えていきたいと思います。
あるトラネコとの出会い
私は小さな頃から猫がいる生活を送ってきました。
しかも常に2,3匹はいる状態です。
そしてみんな保護猫です。
その時は2匹のメス猫を飼っていました。
うちのメス猫2匹は結構気が強くて、近所で飼われている灰色のオス猫のことをすごく嫌っていました。
この灰色のオス猫はクマと呼ばれていました。
クマはうちのメス猫を見るといつも追いかけて家まで上がってきてしまうことがあり、時にはこっそりエサを食べに来てたりもしました。
そのため、うちのメス猫は他の家の猫とは合わないなと勝手に印象付けられていたのです。
ある時、一匹の野良ネコが家に来ました。
トラネコでオスでした。
ですが前述したトラネコ、名前をカインと言いましたが、彼に対してはうちのメス猫何にも抵抗を示さなかったのです。
むしろ彼女たちが家に連れてきたほどです。
経緯としては最初、家の前の広場でうちのメス猫がいつもたむろしていたのですが、その日はカインが近くにいてメス猫が一定の距離を保ちながらずっと近くにいた感じでした。
私たち家族がカインに気づくまで待っているようでした。
メス猫がまるでカインに餌をあげて家に連れて帰ってあげてと言っているように感じました。
カインはメス猫とも適度に距離をとり、私たちにもできる限りのか細い声で答えていました。
私たちがカインに手を差し伸べるとカインも近寄ってきてエサをあげると食べました。
そしてすんなりと家に招き入れることになったのです。
クマとの差・・・(^^;
カインのすごいところは
- 相手の視界にはいるようにすること
- 視界に入っているだけで自分からは近寄らないこと
- 優しい声を時たま出して相手の反応を引き出すこと
- 相手が受け入れてくれるまで待つこと
- 手を差し伸べられたら素直に受け入れること
です。
遠慮深いといっても相手に認識されていなければ忘れられてしまいます。
彼はずっと私たちやメス猫の視界にいました。
単純接触効果にあるように相手に認識してもらうことは大事です。
自分からズケズケいかないこと、相手の反応を待つこと、人間で言えば忍耐力ともいわれるかもしれません。
人には人のこれまでの生活習慣があります。
そこに急に新しいものを当て込むのは時には労力のいることです。
欲求不満とまでは言いませんが、もし自分の生活に何か足りないと思っていて丁度自分の欲していたものと出会えればすぐに受け入れられますが、お互いにそれが何かはすぐにはわかりません。
ですから相手の反応を見ながらお互いの必要不必要をすり合わせていく時間が必要なのです。
条件がそろったら相手の優しさを素直に受け入れることも大切です。
時々、過去にトラウマがあったりすると自己保身の気持ちが働いて試し行動に出てしまうこともあります。
ちょっと相手のことを知りたくて、もったいぶらせたりと駆け引きに出てしまうのです。
もちろん相手に下心があるとか、もしかしたら詐欺ではないかと疑いたくなる気持ちはわかります。
しかし、もしも相手が下心のある人間だったら、もし詐欺師だったら、彼らはあなたの試し行動もしっかり見抜いています。
それも織り込み済みであなたの納得のいく条件を提示して信用させようとするでしょう。
ここでは言及しませんが、試し行動は相手の邪心を見抜く手立てにはなりません。
かえって不誠実同士の寄り合いになってしまいます。
下心には下心の、詐欺には詐欺の適切な対処法を考えて、自分は素直でいることを心掛けることは大切なのではないでしょうか。
大切なのは人の好意を欲張らないこと
この野良猫だったカインと逃げられてしまうクマの差は何でしょうか。
前者は生きるために必死なサバイバーです。
後者は一応飼い猫で
この受け入れるまで待つ、人が手を差し伸べてくれたら受け入れるという距離感は私の就職でも役に立ちました。
私は社長との縁故で工場に就職したのですが、そこにはいわゆるお局さんと言われるボスがいましてみんなの支持を集めていました。
危機感を抱いたのは政局争いです。
コネで入ったから優遇されているだろうとか、幹部を狙っているとか、あることないこと噂を立てられて、お局さんとその部下たちが事務所に詰めよって私の給料をばらされたりだとか。
いろいろありましたが、概ねプライベートでも職場でもいい関係を続けられたと思います。
それはあのカインのことをずっと意識していたからです。
彼のように溶け込むためにはどうしたらいいだろうかと。
そしてお局さんたちにすり寄ることもこびへつらうこともなく、仕事上の指示には従い、不自然に愛想を振りまくことはしませんでした。
そのうちカラオケに呼ばれたり、飲み会に呼ばれたり、家に呼ばれたりして手料理をごちそうになりました。
唐揚げが自慢の方でとてもおいしかったです。
もう一つ、私は一度社会人になってから大学に行ったので学友とは歳が離れていました。
ここでズケズケ友達づくりをしようとしたらもしかしたら下心満載の人だと疑われてしまったかもしれません。
女性が多かったですが、自らは話しかけず、答えるときは愛想よく、困っていることがあったら必要最低限の情報を提供して去る。
普段の生活において好かれることは必ずしも必要ではありません。
しかし嫌われたら何かとやりづらいのです。
また好かれるということは何かの間違いで嫌悪・憎悪に変わることもあります。
遠慮深くよりも、慎ましく。
もし鼻から毛嫌いされてイジメてくるようなら転職や転学を考えるべきだと思いますが、欲張ってすべてを失うという昔話みたいな状況ならないようにするためにはこの猫の距離感は大切かもしれません。
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