イソップ童話「北風と太陽」のアナザーストーリー
北風に勝った太陽より強いものが現れた・・・。
「北風さま、後押し感謝いたします。
お疲れ様でございました」。
北風はこくりと会釈するとその拍子にえづく様子を見せ、その流れで頭を竜巻のように回転させて遠くに行ってしまった。
あんなにフーフーと息を吹いたのだ。
仕方あるまい。
競争相手がいないとやる気を起こさない人は攻めてるようで実は守り。
守るのが自分だから相手方にも響かない。
ただ、あの一件で口だけだというところが分かってしまった。
本当に恥ずかしいのはそっちの方だ。
「・・・ああ、これはこれは太陽さま、おめでとうございます。
さすがでございました。
おかげさまで暖まりました」。
太陽は投げキスのようなウインクをした。
最近の流行らしい。
寒くなれば着こむし、暑くなれば薄着になる。
旅人のコートを脱がせるという他者を巻き込んでの傍迷惑な勝負は、勝気な北風に対して、じゃあこうしようと言い出した太陽に軍配が上がった。
(要はどちらが優れているかではなく、勝負相手に対する交渉力ですなぁ。
いかに相互の能力の結果を先読みし、自分に有利な条件を提示して戦えるか)
と、図らずも南風に手懐けられていく二人であった。
最強は闘わずして勝つ。
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