【イソップ童話パロディ】アリとキリギリスとセミ|君がいたから頑張れた

2022年1月14日金曜日

小説

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イソップ童話「アリとキリギリス」のアナザーストーリー

ー君がいたから頑張れたー

アリは働き者だ。

朝から晩までせかせかと動き回る。

食料を集めて地底の城に持ち帰り、十分蓄えて冬を越す。


キリギリスは道楽者と語られる。

アリを尻目に秋には音楽を奏で、浮ついた愛ばかりを歌っている。

そして冬になれば死骸となって地上の肥やしになるのだ。


「だけれどキリギリスは知っていたのです。

己には音楽しかないことを。

キリギリスは知っていたのです。

己の一生の儚さを。


『巨万の富も一握りの糧もみな等しく朽ちていく。

愛を歌え、精一杯、命尽きるまで』。


それが地中から顔を出した時、キリギリスが仰向けのセミから教えられた魂だった、と伝え聞いております」。


そう話してくれたのはキリギリスのお孫さんのキリギリス。

いま、2世代に渡って「アリの過酷な労働問題」についての研究論文を執筆しているところだそうだ。


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