新聞・テレビが作り上げた非常識な常識
慣習に囚われたメディアとネット民たち
2022年7月10日に行われた参議院選挙。
東京選挙区では自民党公認でタレント出身の生稲晃子氏が初当選を果たしました。
注目候補であれば当確後、もしくは落選後にインタビューされるのは普通ですが、生稲晃子氏はこの慣例を破り、当確後のすべての取材のオファーを断ったそうです。
それが今物議を醸しています。
テレビ東京の選挙特番で池上彰氏が取材の申し出を断られ、その理由として生稲晃子氏の関係者が「勉強不足だから」と発言したと伝えました。
このことについて、生稲晃子氏の事務所が事実無根として謝罪と訂正を求めたのです。
生稲晃子氏の選挙対策事務所、テレ東P&池上彰氏に謝罪・訂正求める 関係者の話は「事実ではありません」 (msn.com)
生稲晃子氏側の言い分としては取材拒否したのは当確の時間が遅くなることを見越して支援者を気遣ってとのこと。
確かにNHKから当確が発表されたのは深夜11時半ころ。
それより遅くなる恐れもあった。
至極当然の理由だと思います。
にもかかわらず取材を断られたメディアとそれにつられたネット民たちは的外れな批判に熱を上げているようです。
思い出したのは河野太郎氏が省職員たちによる大臣の深夜の出迎えの慣習に対して「ヤメレ」とtwitterで発言したこと。
河野行革相が「ヤメレ」ツイート 深夜の出迎えに苦言?:朝日新聞デジタル (asahi.com)
その他にも河野氏は就任会見で閣僚たちが深夜から未明にかけて順番に行う記者会見を批判しています。
働き方改革などを推進すべき官僚閣僚たちが慣習だからと言ってこのようなブラック企業にありそうな残業を認めることはおかしいことではないでしょうか。
速報を求める社会にスローダウンを
選挙でも当確まで待たせるとすれば事務所スタッフや支援者を深夜まで拘束することになります。
生稲晃子氏の政治信条はホームページによると
- がんから国民を守る
- 大きな病気を抱えても生きがいを持って働ける社会へ
- 女性が働きやすい環境をつくる
- 仕事と健康が両立できる社会づくり
- コロナに負けない経済活動の支援
等です。
これを踏まえて考えると、
- がんから国民を守ると言いながら深夜まで働かせて不健康を推進してはいけません。
- 大きな病気を抱えている人を深夜まで働かせていいのでしょうか。
- 育児をしている女性を深夜まで働かせたら家庭に支障は出ないでしょうか。
- 仕事と健康を両立するなら過度な残業はやめるべきです。
- コロナを予防すると言いながら長時間集会を開くべきではありません。
と、どれか一つとっても深夜にインタビューを受けることは彼女の政治信条から反しています。
事務所スタッフと支援者を帰らせて生稲晃子氏一人をテレビ電話でインタビューするにしても、その本人が政治信条を破ってはいけません。
いつになるかわからない当確を待てばインタビューする方も待たせることになります。
だとすれば全局のインタビューを拒否するのはむしろ平等であり誠実な対応とみて取れます。
そもそもなぜ当確直後にインタビューを受けなければいけないのでしょうか。
当確というのはテレビ局などが独自で調べて発表するものです。
それに合わせる正当な理由は何かありますか?
開票を全部終えてからでも何の問題もないのです。
なんでも急ぎ過ぎている現代の風潮の方がおかしいと感じます。
このテレビ東京・池上彰氏の取材も虚偽になるかもしれません。
"結果"を急ぎ過ぎた結果です。
そしてそれに踊らされ、お門違いの批判をするネットユーザーたちも沢山いるようです。
私たちは物事をもう少し慎重かつ確かな歩みで進めるべきです。
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