陰謀論を追う前にまず梅毒の特性について知る
梅毒は免疫があってもなくても感染する
2022年に入ってから梅毒と診断された患者が急増してるとのことです。
半年で例年を上回るほどだとか。
「梅毒」最悪ペース、半年で5600人…専門家「SNS通じ不特定多数と性交渉など目立つ」 | ヨミドクター(読売新聞) (yomiuri.co.jp)
上記の記事によると、プライベートケアクリニック東京院長が「はっきりとした理由はわからない」としながらも「SNSを通じて出会った不特定多数の人と性交渉した人」、「性風俗サービスの利用者・従事者」にその増加傾向があると話しているということです。
ただ世の中の常識や専門家にとっての"当たり前"にも裏があると疑う人たちの中には、これが「コロナウイルスのワクチンを接種したせいだ」と考えている人もいるようです。
ワクチンのせいで免疫力が低下し、梅毒にかかりやすくなったというわけです。
でももう少し考えてみてください。
梅毒って免疫があってもなくてもかかるんですよ。
性交渉などの接触があれば。
その証拠にコロナワクチンなんて遠回りなものでなく、梅毒自体に一度かかって梅毒に特化した免疫を獲得したとしても再発する感染症なのです。
ということでもし免疫が下がるのであれば他に流行する病気は沢山あるでしょうし、梅毒のデータ一つ取ってワクチンとつなげるのはなかなか難しいところがあると思います。
そもそも梅毒の報告数は近年増加傾向です。
2010年からのデータを見ても2019年と2020年に下がっただけであとは右肩上がりです。
ワクチンが理由とするならば、2010年から上がったのは何のワクチンのせいでしょうか。
そのころにはコロナワクチンはまだあるはずもありません。
考えられる二つの仮説
私個人の見解ですが、梅毒の増加にはやはりその予防の低下が影響していると考えます。
梅毒の予防法は完全ではありませんが他者に移す前に検査・治療することと性交渉の際にコンドームを着用することで防ぐことができます。
コロナ禍では自粛が叫ばれていますが、その渦中にあって濃厚接触の極みである性交渉に行動を移す人たちがいます。
そんな人がちゃんと検査・治療しているでしょうか。
コンドームを着用しているでしょうか。
コンドームを着用しない理由は様々なアンケートを見てみると、「つけない方が気持ちいいから」に集約されるようです。
目先の快楽を優先して、妊娠や中絶、人間関係など後先のことを考えない行動です。
それは人間の本能ですから一概に責められないものの、慎重さに欠ける行動であることは確かです。
コロナ禍では慎重派と行動派のバランスが崩れた、つまり行動派の濃厚接触が割合的に増えたことに伴って梅毒の感染者数も増加しているという仮説です。
もう一つはコンドーム以外の避妊方法の普及です。
低用量ピルやアフターピルは避妊方法の信頼性から近年普及率が高まっているようです。
ピルはどこまで普及したか - Dr.北村のJFPAクリニック (jfpa-clinic.org)
ピルは避妊方法としては優秀かもしれませんが、感染症予防に対しては無防備です。
ピルの普及によって、梅毒の予防法であるコンドームをつけない人が出てきたため梅毒が増えているのではないかという仮説です。
相手が性病に関する検査や治療をしていなければ、やはりコンドームのように直接の接触を防ぐ方法が必要だということでしょう。
そして冒頭で取り上げたように、専門家がおっしゃっているSNSの普及で不特定多数の人と性交渉できる環境が助長していることには引き続き注意を払いたいものです。
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