ネットフリックスの経営戦略に関する憶測
■プレジデントオンラインに掲載された専門家の見解
当記事は、契約したことを忘れサービスを利用せずに利用料金を払い続ける会員に退会を促す理由は何かということについて新世代のマーケティング理論を用いて推測しています。
「日本の携帯大手と正反対」ネトフリが幽霊会員をわざわざ退会させてしまうワケ 映画そのものに飽きられるよりいい | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
「そのままにしておけば、利用料金が収益になるのに」
「わざわざ気づかせて退会されたら損失になるはず」
でもなぜ退会を促すのかについて記事では、
「自社サービス向上のための自己改革基準」や「同業者を含めた市場の活性化」などを主な理由として
長期戦略の一環であると結論付けています。
■理由はもうちょっと単純?
たしかにこの記事は、良心的なサービス提供はまわりまわって自社に利益をもたらすというのは倫理観を大切にする人のカタルシスにつながりますし、今の時代に合った気分のいい理論ではあります。
また「カスタマーサーキット」など、マーケティングについてとても勉強になる記事ではありました。
が、少し考えすぎな感じもします。
理論上はそうであっても、目的はもっと単純だと思うのです。
副次的な効果はあるにしても、それはあくまで理論上のことであって、ネトフリがこのサービスを決定した理由はもっと直接的で業務的であるように思いました。
つまり、「見ていない、使っていないのに会員費を払ってしまった、どうにか払い戻ししてほしい」といったようなクレームを防ぐためと考えた方が自然です。
そしてそれにかかるクレーム処理や訴訟問題への手間が増えるのを避けるため、実質的な人件費の削減であると思うのです。
amazonのプレミアム会員になってそのサービスを利用しなかった場合、払い戻してくれます。
それでも払い戻しの手間は大変なものでしょう。
ネトフリのように退会について定期的に確認を取っていれば、それは顧客側の責任ということで話がつきます。
それに「まだ会員を続けますか」という質問は、退会を促しているというよりも、「あなたは会員です。お金を払っているんですからサービスを利用してください。会員を続けてください」という意味が込められているとも思える。
リマインドの役割です。
もし、「こんなサービスがあります。ぜひ利用してください」という促し方では、上記の自社の責任の回避ができません。
リマインドもできてなおかつ自社の責任を回避できる方法として退会を促しているというのが、素人から見た素直な考えです。
■消費者を守る専門家の意見は理論的に筋が通っている
プレジデントオンラインに掲載された今回の記事は「Screenless Media LAb.」によって書かれたものだそうです。
所長は政治社会学者の堀内進之介氏、連載「アフター・プラットフォーム」は、リサーチフェローの塚越健司氏、テクニカルフェローの吉岡直樹氏の二人による執筆となっています。
現実的に考え過ぎであろうと、理論上は正解しているというのが学者の強みといったところでしょう。
こういった消費者にとって良心的と思えるマーケティングが理論的に裏付けできるというのは記事を読んでいて面白いと思いました。
儲かればいいという考えが多い会社、社長、上司、社員。
そして被害にあっても泣き寝入りしなければならない消費者。
殿様商売といわれる大手。
詐欺集団と変わらないベンチャー企業。
それに肩身の狭い思いをしなければならない誠実な新規参入事業者。
最初は夢と希望に満ちて事業を始めるも、法律的にグレーなことをしなければ経営が立ち行かない。
気軽に起業できない。
泣く泣くお客さんを騙すしかない。
そんな世の中であったはならないと、感情論でしか訴えられない素人の私です。
でも、科学的に、理論的に、やっぱりお客さん第一が一番いいんだと証明してくれる人たちがいるのはなんだか希望が持てます。
私は起業するつもりはありませんし、そんな頭脳を持っていません。
でも従業員の立場であってもそういう悩みは付きまといます。
営業をしていてもそうでしたし、客としても、最近はNTTドコモのシレっと契約内容が変わっていたり、契約内容の説明不足、客としての要望を汲んでくれない扱い方に不満を持っていました。
「できるだけ安いプランがいい」という言葉は通じず、自分で契約内容を調べ安いプランを構築しなければ勝手にオプションをつけられてしまう。
これが大手のやることかと失望したばかりでした。
愚痴っぽいブログはまた別の機会に書けたらと思います。
書かないことに越したことはないかもしれませんが・・・。
今回は勉強になりましたし、学ぶことはいくつになっても大切だと考えさせられました。
「日本の携帯大手と正反対」ネトフリが幽霊会員をわざわざ退会させてしまうワケ 映画そのものに飽きられるよりいい | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
カバー写真:
PexelsのAndrea Piacquadioによる写真
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