オンラインゲームのリテラシー向上という課題
福祉ではワーカーとクライエントの直接的な関係の他に、福祉の活動が円滑に進むよう社会がよりよくなるための啓蒙活動が行われます。
ソーシャルアクションは、社会問題に対して人々の理解を深め、ワーカーやクライエントだけでなく社会全体で包括的な援助ができるよう間接的に助けるために行われるものです。
ソーシャルアクションとは - 介護110番 (kaigo110.co.jp)
たとえばイジメという社会問題の中で、自分がイジメられていることを親や先生に言いにくいという課題に焦点を当てたとします。
イジメを受けている子どもの相談相手になったり、相談箱を設置する直接的な支援に対し、ソーシャルアクションは、イジメを告白するのは恥ずかしいことでも弱い人がすることでもないとメッセージを発信することによる間接的な支援です。
メッセージの出し方は様々で、いじめをテーマにしたアンケートを取って、その質問の中にイジメを相談した時の事例を織り交ぜて読む人が理解を深められるようにしたり、SNSに特定のハッシュタグを作ったり、映画・ポスターを作ったりというのもその類です。
大学の課題などでも出たので私にとってちょっと思い出深いソーシャルアクションですが、私の好きなゲームでもそれをやっている人たちがいました。
Rush GamingのCEO西谷麗さんと元eスポーツプロ選手GreedZzさんとぐっぴーさんの2人です。
ゲームはコールオブデューティーのWarzoneというもので、戦場に150人ほどがネットを介して集まり、そこで生き残りをかけて戦うFPSです。
彼らが何をテーマにしているかというと、初心者も楽しんでゲームを始められる環境を作るため、古参の人はこんな風に初心者に接してみては?という提案を投げかけることです。
なぜこんなことをしているのかというと、このゲームは最大4人1組でチームを組むのですが、ゲームに負けた時、うまい人が下手な人を無下に扱ったり暴言を吐くことによって傷つきゲームを辞めてしまう事が散見されたからだと思います。
それは本ゲームのためにもなりませんし、ゲームを楽しくプレイしたいという多くの人たちの環境にもよくありません。
そこで元プロ選手のGreedZzさんとぐっぴーさんが、初心者の西谷麗さんとチームを組み、初心者でもチームに貢献できる行動を教えたり、ベテランの人が初心者と一緒に勝利をつかむ楽しさを実際にやって見せてくれたというわけです。
もちろんRush Gamingはボランティア組織ではなくちゃんとした営利組織です。
またゲームを通して商売しているわけですから、これがお金につながることだからやっているという考えもできるかもしれません。
ただ、それを加味しても自主的に直接お金にならないことようなことに時間をかける慈善事業的な行動でもあるのです。
これからの時代、ネットを介したゲームは増えていくでしょうし、生活の一部とさえなるでしょう。
そう言った意味で、この多くの人が健全に楽しくゲームをプレイできる環境を目指すRush Gamingの提案は立派なソーシャルアクションと言えると思うのです。
もし大学の理解が得られれば大学生さんたちは自分の好きなゲームやアニメファンなどのコミュニティに当てはめて課題に取り組んでみてもいいでしょう。
そして福祉のプロの現場でも、そう遠くない形でこのようなアクションが求められていることがあるのではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿