SNSの普及と問われる常識
SNSの普及により、一般人でも気軽に自分の気持ち、状況を他人と共有することができるようになりました。
便利になった反面、”晒し行為”が横行しているようにも思います。
そういう私も例としてこのような個人のTwitterアカウントを晒しているわけですが。
『MT車・坂道後退注意』
— 鯉沼自動車販売 (@koinuma_auto) September 24, 2022
注意するのは、後ろにいる俺じゃなくて、運転してるオマエだ( ゚Д゚) pic.twitter.com/zdK1GqFmwg
この方は自動車の販売経営をしているようでして、車関連でこのツイートを上げたということでしょう。
いいねもたくさんついていますが、コメント欄を見ると批判的な意見が多いです。
ここに自動車販売の方の誤解と、それを批判する人の誤解もあるように思えるので整理したいと思います。
MT車・坂道後退注意ステッカーを貼った意図
MT車と言うのはマニュアル車(マニュアルトランスミッション)のことで、マニュアル車が上り坂で停車した場合、ブレーキを離すと後ろに下がってしまいます。
オートマ車の場合は、ブレーキを離すと勝手に前に進みますよね。
その前進する動力と後退する力がバランスして静止を保つことができます。
車が勝手に動く「クリープ現象」ってなに? by 車選びドットコム (car-me.jp)
したがって、マニュアル車で上り坂から発信する場合、サイドブレーキで後退しないようにし、クラッチとアクセルを踏んで車が十分前進できる動力を得たころにサイドブレーキを外すというちょっとトリッキーなことをしなければなりません。
これがいわゆる坂道発進と言うものです。
自動車販売の方は「注意してください」と言われて「注意するのはお前の方だ」と批判しているわけですが、これがピントのズレた批判である可能性があります。
念には念を
ステッカーを貼った人は、別に注意していないわけでも運転が下手なわけでもないが、100%ミスしない保証はないので気を付けてくださいと謙虚な気持ちで貼っているのかもしれません。
ただステッカーは文言を簡潔にしているので謙虚かどうか、注意しているかどうかを表現できていないということです。
ネタで貼っている
センスがあるかないかは別として、ステッカーをネタやデザイン性で貼っている人もいます。
車は大量生産ですので同じ車は何台もあります。
自分だけの車にするにはホイールを取り換えたり、ヘッドライトを交換したりと改造する方法もありますが、ステッカーを貼るのが一番簡単だということです。
マニュアル車であることのアピール
「俺マニュアル運転できんだ」と自慢しているという意味ではありません。
その線も無きにしも非ずですが、それよりも、マニュアルを運転していると通常の発進が遅れる場合もあります。
そうした場合、後続車が「何モタモタしてるんだ」とイラつかないように、前もって「MT車ですよ。ご容赦ください」とアピールしているのかもしれません。
その場合、ステッカーを貼った人の意図は、知らせたいのは主に「MT車」の部分だけで、それ以外には特に強い思い入れも理由もないということになります。
本当に不慣れな場合
普段あまり運転しなかったり、坂道発進で失敗した経験がある場合、お店でこれは私にぴったりだと考え貼り付けることもあるかもしれません。
この場合、ステッカーを貼った人はすでに注意していることになります。
自動車販売の方がネタでツイートしているかもしれない
ステッカーを貼った人を馬鹿にしたようなツイートをした自動車販売員ですが、本気で馬鹿にしたのではなく、ネタでツイートした可能性もあります。
お店の宣伝を兼ねてツイッターを利用しているので、ウケ狙いで面白い言い回しを常に考えているのかもしれません。
これが面白いかどうかは別として、ネタを探していると発言に対しての危機感が薄まってしまうことがあります。
そして受け手がどうとらえるか客観視できなくなってしまうのです。
これは大企業でも、芸人でも度々炎上の原因となるものです。
ネタならネタとわかりやすい表現にすればよかったとも思います。
そうすれば、相手がネタで貼っているステッカーにネタで返すというほのぼのとしたコミュニケーションにもなったでしょう。
笑っていいのか、本気で言っているのかわかりにくい場合って時々ありますよね。
現に、このツイートの肯定的なコメントのほとんどが、ステッカーを貼っている人の批判に回ってしまっています。
自動車販売の方が、批判を扇動した形になってしまっているのです。
そもそも自動車販売員として自動車に深くかかわっている人が、このステッカーを貼る意図を理解できないとは思いません。
だからネタで言っている可能性もあるなと思った次第です。
もしかしたら知り合いの車とかで打ち合わせ済みとか。
それぐらいでないと常識を疑います。
どちらにせよ一般人の車をSNSで晒して馬鹿にするような発言をしたと捉えられたことはよいこととは言えないでしょう。
失敗例としてどこかの企業のネットリテラシーのマニュアルにも参考にされそうな案件です。
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