人材の枯渇でようやく目覚めた倫理観
最近、コールオブデューティーというゲームを始めて銃火器やミリタリーに興味を持ち始め、YouTubeでいろいろな情報を集めていました。
アメリカ陸軍の訓練所、ブートキャンプなどの映像も見て、少しミスすると教官たちが新兵に詰め寄り顔を近づけて怒鳴り散らす、所謂シャークアタックなんかも見たりして、これが有名な「なんだその反抗的な目は」の現場かと再認識したのでした。
その動画のコメント欄にはこの軍隊式のやり方を称賛する声が多く、「こうやってメンタルが最強になる」とか「最強の軍隊を維持するためには必要な訓練」とかいった発言もありました。
わたしとしては、威圧的なやり方で疲弊している現場を数多く見てきましたので、基本的にはこういうやり方には反対でしたが、職業によってはこういうやり方も仕方ないのか、必要悪なのかと心が揺らいだりもしました。
アメリカといえばメンタルケアやカウンセリングが日本より発達しているイメージもあり、そこに違和感もあったりして少し調べてみると、なんとアメリカ陸軍が軍隊式の教育をやめると発表していたのでした。
理由を端的にまとめると、人材育成の面で効率が悪いから。
アメリカ陸軍を維持するためには旧来のやり方では持たなくなってきたということです。
「軍隊式」の終わり……アメリカ陸軍が新兵教育から「理不尽なしごき・罵倒」を排除すると発表 - DNA (dailynewsagency.com)
ともすると軍隊式を称賛していたコメントというのは的外れで、実はそういうやり方はメンタルの強化にも、軍隊の維持にも貢献していなかったという結論になります。
もちろん、教育方針を変えただけで、教官たちがすぐさまこの変革に対応できるかもわかりませんし、新しい教育制度の結果も出ていないので何とも言えません。
ただ、これまでの威圧的なやり方ではもう無理だというのがアメリカ軍の出した答えであることは間違いありません。
シャークアタックもなくなりますし、アメリカ軍がやっているのだからと水を得た魚のようにそれを称賛していた人たちも行き場を失ってしまいそうです。
そもそも威圧的な教育方法を是とする人たちは、軍隊のみならずコンビニのアルバイトにだって同じことを言うでしょうから、あまり一貫性があるとは思いません。
世の中は厳しい、その厳しさに耐えなければならないと言っておきながら、その厳しさを解消する勇気も努力もない人たちです。
人の心が有限であること、傷ついたら癒えるのに時間がかかることを気にも留めず、言いたいことを言うだけ言ったら、後はその人が苦しんでもその人任せ、ひいてはカウンセラーやその人の家族にケアを任せる無責任。
ごみを散らかしっぱなしの子どもみたいなもんです。
自立しているとは言えません。
経済大国1位のアメリカも、近年は一強という立場ではなくなってきました。
金に物を言わせて犠牲に目をつむる時代は終わったのかもしれません。
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