MW3が高いのは円安のせいじゃない|GreedZzさんの的外れな擁護の数々

2023年8月21日月曜日

ゲームレビュー

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応援したい気持ちが暴走?

CoDの元eスポーツプロ選手でありRush Gamingの経営者でもあるGreedZzさん。

彼はCoDや他FPS系のゲーム配信などに強いYouTube登録者数20万を超えるストリーマーでもあります。

CoDに青春をかけてきた彼ならではの熱量でCoDの楽しさを教えてくれる、強い、カッコいい、頭がキレると三拍子そろった有能人物です。

ただCoDに対する気持ちが強すぎるせいか、彼の言動にところどころ間違い(違和感)が見られることがあります。

3つほど上げます。

勘違いしてほしくないのは私は決してGreedZzさんのアンチではないということです。

彼の配信からCoDの技術や歴史を学んできましたし、アメリカと日本におけるCoD人気の違いを肌で感じてきた様子をうかがい知ることができました。

また、私はApexやガンダムについては特に興味はありませんでしたが彼が大会に出ている時だけは見ますし、彼のガンダムの動画は面白く拝見させてもらっています。

CoDの価格が高いのは円安のせいではない

まず最初に、一番わかりやすいものから紹介します。

彼がCoDの価格が高いのは、昨今の円安の影響であると説明しているところです。

CoDの値段が日本では約1万円(9800円)。

GreedZzさんは、CoDがこんなに高いのは円安の影響をもろに受けているというのです。

本当にそうでしょうか?

過去の3,4作品遡ってCoDの価格と当時のドル円レートを調べてみました。

タイトル  日本での価格  アメリカでの価格  ドル円レート(月単位)
MW \8,690 $59.99 106.4~109.2
BOCW \8,690 $59.99 103.1~105.6
Vanguard \9,690 $59.99 112.5~115.5
MWII \9,690 $69.99 143.5~151.9
MWIII \9,800 $69.99 145付近(2023年8月21現在)

要するに、「CoDは昔からずっと高かっただろ」ということです。

上の表を見て顕著なのが【ドル円レート110円台のころのVanguard9680円】と【ドル円レート140円台のころのMWII9680円】です。

価格はドル円レートとまったく比例していません。

もしGreedZzさんの理論で行けばむしろVangardは6800円くらいで売ってもよかったことになります。

日本人からボッタクっていたということになってしまいます。

CoDシリーズが現在の1万円近くの値段になったのはCoD GHOSTSの時、ちょうどPS4・Xbox Oneの次世代機に移行した時期です。

このことからCoDの価格設定がゲームの開発費の影響を受けて高くなっているというのが一番の理由でしょう。

またMWIIから10ドル高くなったのは、コロナウイルスによるパンデミックやロシアのウクライナ侵攻にかかる政策からアメリカの物価上昇も関係しているかもしれません。

ニュースでアメリカではファストフードが4000円くらいするというのを見たことある方もいるはずです。

そして日本とアメリカでの販売価格の差は、ドル円レートではなく、「このくらいなら売れるだろう」と各国のゲーム市場の基準に合わせて値段が設定されているのではないでしょうか。


私が不思議に思うのはGreedZzさんは昔からCoDに触れていたにもかかわらず、最近始めた私ですらすぐわかるような値段の問題に気づかなかったということです。

子どものころは大人に買ってもらっていたからわからなかったのでしょうか?

ここ最近は案件で支給されていた?

自分で買わないからわからないというのはあるかもしれません。

スレッジハンマーに対する変わらぬ信頼

次にGreedZzさんの説明でおかしいと思ったのは以下の動画のコメントに対する返信部分です。

視聴者さんから「WW2やヴァンガード作ったとこが作るとか聞いて結構不安、、、」とコメントが来ます。

これは不人気、批判を集めたWW2とヴァンガードを制作したスレッジハンマーゲームズ(以下スレハン)が新作のMWIII(MW3とは別作品)を手掛けていることに反応したもののようです。

それに対してGreedZzさんはこう返します。「旧MW3もスレハンですよ~あと今のところゲーム自体はMW2のままな感じしますね」

好評だったMW3はスレハンが作ったのだから駄作ばかり作る会社ではないよ、ということでしょう。

しかし、MW3はWW2やVanguardよりもはるか昔の作品です。

そうすると、会社は同じスレハンでもMW3を作ったころの人材はとっくに流出している恐れがあります。

また一発屋のようにアイデアが枯渇してしまったとか、現在の技術についていけないといったことも十分考えられるのです。

普通、会社の評価をする場合は過去の製品ではなく直近の製品によって判断します。

昔おいしいラーメンを提供していても、今味が落ちてしまっていてはそこはおいしいラーメン屋さんではないのです。


またもう一つ大事なことに、MW3はInfinity Wardとの合作です。

もしスレハンの実力を評価するのであれば、視聴者さんが引き合いに出したWW2やVanguard、そして同じく評判の芳しくないAWをもって評価するのが適切なのではないでしょうか。

また、下記の記事ではスレハンのリーダーおよび社員多数が退職し、人材の流出が止まらない状況だったとあります。

[速報] CoD:BO5:2020年版CoDは『コール オブ デューティ ブラックオプス 5』、混乱の中で開発が Treyarch に変更されたと海外メディア報じる | EAA!! FPSjp.net(イーエーエー)

ともすると、MW3時代のクオリティーを保てる保証はどこにもありません。

最も、今回のMWIIIの制作はスレハンだけによるものではないようなので作品自体が今までのように残念になることはないかもしれません。

また、私はスレハンの作品が評価されないのは、スレハンがキャンペーンに力を入れる姿勢でいるからで、その分、マルチプレイヤーをなおざりにしてしまうからだと考えています。

CoD自体、マルチはおまけ、キャンペーンが本編だと少々ユーザーとの意識の乖離があるものだと思っていますが、スレハンは特にその傾向が強いと感じます。

(Vanguardのキャンペーンのストーリーは個人的に連合軍万歳の戦争映画っぽくて深みはありませんが、作り自体は悪くないと思っています)

CoDの人気低下は日本の少子化のせいではない

日本のCoDはオワコンかどうかの話について、GreedZzさんは日本の人口ピラミッドの図を使って新しい世代が入ってこないため人気が低迷していると言っています。

しかし、少子化の影響はCoDだけでなくすべてのゲームに及ぶものです。

これもCoDを擁護するにはなかなか苦しい論法なのではないかと考えます。

なぜGreedZzさんはCoDを庇うのか

GreedZzさんがここまでCoDをポジティブに捉えるのは、もちろん配信者としての仕事をもらっているというのが大きいと思います。

皆さんの仕事でも、つながりのある企業の悪口を言うのはご法度でしょう。

それともう一つ、CoDアンチを許せないという感情もあるのかもしれません。

ただ、もしアンチが事実を持って批判しているのなら、GreedZzさんが事実に基づかない擁護をしてしまった場合、かえってアンチに揚げ足を取られることになります。

敵に塩を送ることにもなりかねません。

いくらCoDが大好きで、CoDから仕事をもらいっていても上で挙げたような無理な擁護や論法は控えた方がいいのではないでしょうか。


好きなゲームであってもよくないことはフィードバックする、しなければならない理由をCity of Newyorkは正しい?なぜ我々はCoDを批判するのかに書きました。

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