これは解釈ではなく日本語理解の問題
ガンダムXが打ち切りか否かの論争
ガンダムXは当初の49話の予定より10話少ない39話で終わってしまいました。
放送時間も途中から、夕方から朝に変えられました。
主な要因は視聴率の低迷だということですが、ファンの中にはこれが打ち切りではないという人もいるそうです。
理由は二つ。
一つは、39話に減らされたものの、物語自体は完結しているため。
もう一つは、打ち切りと言っている人は、放送時間が変わったことを知らないために、夕方見ようとした人が急に終わってしまったと勘違いしていると考えているため。
ただ、どちらにせよ、大人の事情で放送回数を減らされてしまった事実は誰もが認めているようで、「打ち切りではなく『短縮』だ」との意見を強く推しているようです。
「打ち切り」とは何に対して使う言葉なのか
結論から言えば、ガンダムXは打ち切りです。
なぜ、物語が完結しているのに、短縮ではなく打ち切りなのか。
それは「打ち切り」とは物語について使われているのではなく、アニメ制作が中止になること、つまりプロジェクトに対して使う言葉だからです。
打ち切りではないと主張する人は、「打ち切り」という言葉を誤解しています。
打ち切りという言葉からなんとなく、中断のようなニュアンスだけで理解しているから誤解が生まれているというわけです。
「打ち切り」という言葉の定義を再確認してみましょう。
物事を中途でやめにする。中止する。Weblio辞書
ここで重要なのは、やっていることをやめることを「打ち切り」というところです。
物語はやっていることではありません。
物語を作ったり、アニメ製作したり、放送することはやっていることです。
ガンダムアニメの制作にかかわることを予定よりも早く中断することになってしまった。
よって、この事象は打ち切りと言われるわけです。
物語が中断することは何というのか
別の言葉で「未完」というものがあります。
これは物語が未完のまま終わった。
物語は未完。
さらにこの物語は未完のまま打ち切りになった。
という使い方ができます。
ここに注目してください。
物語が・未完のまま・打ち切りになった。
物語という主語に対して、未完と打ち切りの両方が使えます。
ということは、物語が未完のまま終わる打ち切りもあれば、物語を完結させる打ち切りもあるということです。
ここからも、打ち切りという言葉の意味が、物語に対してではなく、計画・制作に対するものであることを再確認することができます。
打ち切りの定義を明確化する
Wikipediaを参照してみるとさらに明確化されるかもしれません。
ここでは様々な理由で番組が打ち切られることが説明されていますが、ガンダムXが打ち切りでないという人は、これまで打ち切りになったすべての番組が打ち切りじゃないと弁明しなければならなくなります。
それは打ち切りという言葉の意味を根本的に変えてしまう一大事です。
まさか、ガンダムXの打ち切りを否定する人たちに「自分が打ち切りという言葉を聞いて、こう感じたのだから言葉の意味も自分の解釈に合わせろ」なんていうつもりはないと思います。
日本語の理解に齟齬があっただけのことです。
知らなかったからと言って卑下する必要もされる必要もありません。
私もこの件について調べて初めて打ち切りの意味を明確化することができました。
ガンダムXがなぜ打ち切りで正しいのか確認できたと思います。
したがって、同じように途中でプロジェクトが予定より短くなった初代ガンダムも打ち切りと言えるのです。
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