チャットGPTへの不安と期待
著作権についての説明に納得いかない
最近話題のチャットGPT。
論文の序文を書けてしまったり、仕事上のメールを作成してしまったり、しかも機械的ではなく人間と見分けがつかない自然な言葉遣い。
わたしにもまだよくわからないことが沢山あるのですが、一見すごい時代になったなと思わせてくれる技術です。
さて、私が少し疑問に思ったのは、このチャットGPT、ネット上のテキスト情報を大量に学習して人間の質問に回答するというのですが、その際、テキスト情報を引用したサイトにはアクセス数としてカウントされるのかということです。
Wikipediaからの情報も収集するそうですが、その情報を一旦、チャットGPT自身のデータベースに落とし、理解した上で発信するので引用にはならないと。
世界を席巻する対話型AI、チャットGPTに“インタビュー”してみた - 社会 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
ただ、これは何だか詭弁のように聞こえます。
自分が理解したからと言ってもどこから得た知識なのかは一生変わらないことですから、ことにコンピュータのように記録が残るシステムならば引用元はしっかり提示すべきです。
それが100行になろうと1000行になろうとですね。
ネット上の情報を自分の言葉で直して発信するなら、それはいわゆる間接引用に過ぎません。
引用元を提示しなかったら盗作です。
間接引用の書き方|間接引用はただの「要約」ではないことを解説する | 大学文章論 (ac-writing.com)
引用元を提示しない理由が、技術的にできないのか、それとも技術的にはできてもチャットGPT自体の革新的な印象を優先したいからなのかわかりませんが、どちらかというと後者ではないかと思っています。
また、著作権はチャットGPTの開発元であるオープンAIという会社だと言いますが、引用元があるなら著作権はその引用元だろうとも思います。
この著作権についても誤魔化そうとしている印象を持ってしまいます。
オープンAIにとっては莫大な利益になりそうですが、引用元としては損失極まりない問題です。
ちなみにBingのAIチャットは引用元が提示されるようにできています。
当たり前だと思っていたこと、ちゃんとやってるので褒めておきました☺
ネットもなく渡航者すらも少なかった昔には、文学や音楽の世界でもシレっと盗作することが沢山あったんだろうなと思います。
外国で売れているものや流行のものを、何も知らない自国の人たちに自分が創ったと偽って売る手法です。
ブロガーと共に弱体化する寄生虫みたいなもの?
そこで私のもう一つの心配は、チャットGPTがあるサイトから知識を得たとして、そのサイトにアクセス数として残る残らないは関係なく、アフィリエイトの収益には反映されないだろうと思うところです。
機械ですからね。
機械がアクセスしたところで広告には何の価値もありません。
そうやって収益を目的にサイトやブログを書いている人たちが、広告料ももらえず情報だけを取られてしまうとしたら、もう続ける価値を見出さなくなるのではないかと。
ブロガーやアフィリエイターは金のなる木を見つけた不労所得者のように悪者扱いされる節が世間では見られますが、私はそうとばかりは言えないと思っています。
中にはコピペばかりした盗作まがいの記事や釣りタイトルで中身のない記事を載せている悪い人たちもいます。
しかし、私がよく見る野菜の育て方を載せているサイトのように実用性の高い情報源になっているものもあります。
彼らは実際に自分で育てた記録を載せているわけですから不労所得ではありません。
ちゃんと労しています。
情報をわかりやすくまとめるのだって結構な労力です。
チャットGPTがそういった情報をある意味無価値にしてしまったら、ブロガーは記事を書くのをやめ、アフィリエイターは衰退してしまうでしょう。
もしくはブロガー側が自分たちの利権を守るために、チャットGPTの進入をブロックするようなプログラムをサイトに組み込むとか。
そうすると引用元を失ったチャットGPTの提示できる情報も古くなっていき使い物にならなくなる時が来るかもしれません。
病原菌って宿主を殺して自分も死ぬところが何だか悪って感じがします。
寄生虫とか癌とかもそうですね。
チャットGPTの凄いところ
こんな感じで著作権の説明について納得のいかない私はチャットGPTにはまだごまかしが隠れているハリボテ技術だという印象を持っています。
ただ凄いと思ったところ、これは革新的だと思ったことは、言語の壁をほぼ完全に取り払える可能性を持っていることです。
チャットGPTは上記に示した日刊スポーツの記事によると、日本語で質問されたものを英語に直し、英語で理解した上で情報を集め、再び日本語の回答に戻すそうです。
英語で作られたプログラム故、日本語での回答は少々難易度が上がるようですが、言語を跨いでいることは確か。
これはどの言語で質問しても、ほとんどすべての言語の情報をひとまとめにできる力を持っているということです。
いえ、まだ可能性の段階でしょうが、なかなかすごいことだと思います。
私たちは自分の言語で検索し、自分の言語の情報の中からしか答えを見つけることができません。
もしアメリカ・イギリスの情報を欲しかったら英語で検索しなければなりません。
Wikipediaでさえ、内容は言語によってばらつきがあります。
ドイツの情報はドイツ語で、中国語の情報は中国語でと言語の壁に阻まれていました。
誰かが自分の言語に訳してくれたサイトがあって初めて他の国の情報を取ることができたわけです。
それがチャットGPTには言語の壁を自由に行き来する可能性がある。
この情報量の飛躍は魅力的ですし、立派な技術と言えるのではないでしょうか。
著作権をオープンAIにするのではなくしっかりと抽出・提示できるようにすれば、政治的圧力や経済界、学界からの抵抗なく受け入れられそうな気もします。
オープンAIも収入は必要でしょうから利益を求めるなとは言いません。
しかし現在は少々貪欲で商業的、戦略が短期目線かなと思った次第です。
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