石破首相へのトランプ大統領直筆メッセージを読み間違える山岡鉄秀氏

2025年2月11日火曜日

政治

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知性をかなぐり捨てて石破批判に徹した山岡鉄秀氏

トランプ大統領との日米首脳会談を終えた石破首相に対する批判が連日続いています。

その中でもひときわ注目を集めた投稿がこちら。

山岡鉄秀氏というジャーナリストが、石破首相がXで投稿したトランプ大統領からの直筆メッセージに対して指摘したもの。

実際にトランプ大統領がどんなことを書いたかというと以下の通り。

Mr.P.M.

You will be a great people's Prime Minister!

Best Wishes

Donald Trump(サイン)

トランプ大統領は大文字を多用する癖がありますが、それはあまり気にするところではないので読みやすいように、日本人がよく使う小文字の仕様に直しました。

訳すと以下の通り。

総理大臣殿

あなたは偉大な国民の首相になるでしょう!

ご多幸をお祈りします

ドナルド・トランプ(サイン)

山岡鉄秀氏が指摘したのは以下の通り。

  • 石破首相の名前を書かず総理大臣とだけ書いたこと。(Mr.PMと略称で表記したことも含まれるかもしれません)
  • 「偉大な」が首相ではなく、人々にかかっていて、首相自身をほめているわけではないところ。
  • 「なるだろう」と未来形で表現したこと。(恐らく今はまだ偉大ではない、認めたわけではないと言いたいのかもしれません)

山岡さんってオーストラリアのシドニー大学・大学院、ニューサウスウェールズ大学大学院出身らしいです。

当然、英語ができるはずなのですが、批判的になると人はどこまで理性を失ってしまうのかがわかる面白い題材だと思います。

反論

石破首相をほめているか否か

トランプ大統領が石破氏を褒めていない、認めていないという論調が間違っていることは、日米首脳会談後の共同記者会見を見ればわかります。

トランプ大統領は石破首相を指して、力強い、すごいとほめちぎっています。

偉大な国民なのか、偉大な首相なのか

偉大(Great)が、国民にかかっているのか、首相にかかっているのかで議論になっているようです。

恐らくですが、これは首相にかかっています。

なぜなら「people's president」は一つの熟語だからです。

これは私もこの件で調べて初めて知りました。

「国民の大統領」、「庶民に広く支持された大統領」、「民衆から親しまれている大統領」と表現することがあり、これを首相(Prime Minister)に置き換えた可能性があるからです。

どちらにせよ褒めていることには変わりません。

首相としても国民としても悪い気持ちにはならないでしょう。

首相の立場からも、日本国民が褒められていることは誇らしいでしょうから、何を否定の材料にしたいのかいまいち理解できません。

未来形は認めたくない意思表示?

批判的な見方をする人にとっては「偉大な首相になるだろう」は、「まだお前は偉大ではない」ということにしたいらしいです。

でも、もし認めたくないんだったら「偉大な首相になるだろう」なんて書きませんよね。

しかも、will beはかなり強い言葉です。

使う側では「なって当然だ」くらいの感覚で使います。

もちろんそれよりも強い言葉もあります。

Must be(絶対になる)とかdefinitely(必ず)を加えるとか。

でも、こういう文章は厚かましく、押し付けているような印象を与えるんですよ。

だから、普通に、他意なく、スマートに、「なるでしょう」を使うわけです。

Best wishesは失礼?

これは山岡氏の批判ではありませんが、彼の投稿についていたコメントにあったものです。

「ビジネスではBest wishesは使わない!Best regardsだろ!多分トランプは石破を軽く見ているんだよ」

は?

なんでこういう知ったような批判ができるのかわかりません。

こういうどこから湧いて出たかもわからないくだらない批判は見るだけで恥ずかしくなります。

もちろんBest regardsはビジネスの正式な挨拶です。

「敬具」とか「お世話になります」などと訳せるでしょう。

対して、Best wishesは「ご検討をお祈りいたします」、「ご多幸をお祈り申し上げます」と同等です。

表現としては前者よりも柔らかく人間味のある文章になるでしょう。

今回の会談で対談し、交渉し、お互いをある程度分かりあって認め合う部分もできた。

相手に心を開いた段階でBest wishesを使ってもおかしいと思うところはありません。

これはトランプ大統領が石破首相に対して親しみを込めたメッセージであると読み取ることができます。

名前を書かない?省略したのは?

これはトランプ大統領に直接聞かなければ理由はわかりません。

しかしまず、総理大臣にMrをつけるのは正式な作法です。

これはコミュニティーノートでも指摘されている通りです。

名前で呼び合うことも普通ではありません。

名前はありませんが、石破首相以外に該当する人はいませんし、隣には二人のツーショットの写真が貼ってあります。

これで十分ではないでしょうか。

P.Mと略してあるのはポップな感じがしてトランプ大統領っぽく感じます。

手作り感があって親しみを覚える造りにも見えます。


次の章で英語圏の人の意見を引用しますが、その人の意見では単語全体を書くと長すぎてバランスが悪くなるため、小さなカードを用いる時はよく使う表現だということです。

メッセージ本文にPrime Ministerと書くつもりなら重複させないためにそのような作りにする意図があったとしても不思議ではありません。

海外の反応

以前から日本の政治について関心を持ってくれている英語圏のアカウントではこう言っています。 

トランプ氏の石破氏へのメモに対するこの非常に否定的な解釈は、1,400万回以上閲覧された。

英語を母国語とする私の視点から見ると、トランプ氏が石破氏を直接褒めていたことは明らかだ。彼は、つい最近首相に就任した石破氏の明るい未来を願っているのだ。 

また、トランプ氏がこのメモの中で「ミスターP M."と呼んでいるのも不思議ではない。なぜなら、彼らは初めて会ったばかりだからだ。

2017年2月、トランプ大統領がまだ安倍晋三首相と知り合っていた頃、彼は彼を「ミスター・プライム・ミ​​ニスター」(「シンゾー」ではない)と呼んでいた。

彼の投稿はツリーになっていますので是非表示させて全部読んでみてください。

直筆メッセージの肯定的な解釈-サプライズはどんな時にする?

私自身の解釈になります。

今回トランプ大統領が会談後に直筆メッセージを送ることは慣例ではありません。

誰にでもあげているわけではないのです。

そして直筆メッセージという非常にインスタントな、即席で用意したサプライズプレゼントということは、もしかするとトランプ大統領および側近らの反応が期待以上によかったことの現れとも解釈することができます。

思ったよりも石破首相の印象が良かった、日本と友好関係を築きたい、だから計画外ではあるがそれを示せる何かをプレゼントしたくなった。

それが直筆メッセージと写真だったのだと。


今回のように否定的な解釈ばかりする日本人を見て、海外では「日本人はネガティブにとらえる傾向にある」と捉える人も出てきてしまいます。

トランプ大統領のこの短いメッセージからここまで不自然でひねくれた解釈をするのはまともではありません。

この件に関しても嬉々として投稿した石破首相を、「日本の恥」と呼んでいる人がいますが、私はそのような人の方が恥ずかしいです。

山岡さん、こんな無理くりな批判、”私ならとても公開できない”ですね。

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