石破ショックとも高市ショックとも呼べる暴落のワケ

2024年9月28日土曜日

投資・金融

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暴落は誰のせい?

2024年9月27日、自民党総裁選で石破茂氏が当選したことを受け、ドル円が大幅に下落しました。

始値からは約2.7円、高値から数えればなんと約4.4円下がったのですからかなりの影響があったことがうかがえます。

石破ショックとも高市ショックとも呼べる暴落のワケ

ただ一点気を付けなければいけないのは、ドル円チャートが下がったということは、円が強くなったということ。

つまり円の価値が高まったことは覚えておいた方がいいでしょう。

石破氏を下げるための投稿にSNSではこのドル円のチャートを張り付け、さも日本の国力が落ち、市場から見放されたような印象を与えるコメントを添えていますが、それはドル円の関係、チャートの見方ができない投資初心者にありがちな勘違いに思われても仕方ありません。

恥ずかしいことです。

もしどうしても下落、暴落の語を使いたかったら、こちらの日経225の指数を使うとよいでしょう。

石破ショックとも高市ショックとも呼べる暴落のワケ

もっとも、総裁選の結果が出たのが閉めの15時以降でしたので、正確な数値は週明けにならないとわかりません。

そしてこれから上がるにせよ、下がるにせよ、これを石破ショックと言っていいのかわからないということです。

その理由は大きく分けて3つあります。

総裁選ショックという見方

一つ目は、相場の格言にある「噂で買って事実で売る」という概念です。

総裁選でアベノミクス継承、円安容認の高市氏の当選期待が高まる中、円は売られた可能性はあります。

円が安くなれば日本株は割安になりますので株価指数は上がります。

これがここ一週間のドル円・日経平均の上げ要因だったといってもいいということです。

ただ、ここで買っていた人たちが必ずしも長期的な目線で買っていた人ばかりとは限りません。

この上昇基調に乗っかった相場師、トレーダー、投機筋が噛んでいたことも十分考えられます。

彼らは総裁選が終わったと同時にドル円の買いを利確することを決めていたのかもしれないのです。

石破氏が勝っても、高市氏が勝っても一旦利益確定する計画だったということです。

誰がなっても暴落は起きていた。

そうなると石破ショックではなく総裁選ショックといった方が正確と言えるでしょう。

また、高市氏の円安政策に期待されて上がっていたのであればむしろ高市ショックといった方がいいかもしれません。

高市ショックという見方

高市ショックというのは原因は高市氏にあり、石破氏にはないというニュアンスを含んでいます。

そしてこれは正確です。

なぜなら、このドル円の上昇は短期的なものだからです。

下にドル円の日足チャートを貼りました。

日足ですから縦棒一本が1日です。

石破ショックとも高市ショックとも呼べる暴落のワケ

9月16日に140円を割ってから急激な上昇を見せています。

10日間ほぼ上げ続けました。

石破氏が総裁に決まってドル円が下落、円高になったとすれば、この10日間の円安は高市氏が原因です。

高市氏がいなかったらここまで上がっていなかったのですから高市氏要因で挙げ、それが戻ったということなので高市ショックというわけです。

ショックではないという見方

元に戻ったということであれば暴落といういい方はちょっと違うかなと思います。

ドル円も株価指数も元に戻っただけという見方も大いにあります。

今後、総裁選で盛り上がる前のようにドル円の下落トレンドが継続されるのか、もしくは利上げ観測が後退し、円安トレンドに戻るのかはわかりません。

高市氏がクッションになったという見方

3つの理由と書きましたが、この記事を書いている間にもう一つ思いついたものがあります。

それは、石破氏当選に暴落要因が本当にあった場合、この高市氏への期待上げがクッションの役割を果たしたということです。

つまり、この10日間の上げがなければ石破氏当選でさらに下落し、ドル円は130円前半もしくは130円割れ、日経平均は3万を割れていたと考えることもできるのです。

相場は実需の買いもあれば投機的な買いもあります。


原因は専門家によってもかなり解釈が分かれ、明確な答えがないというのが正直なところです。

もともと政治批判したいだけの人は、原因も何も興味ないかもしれませんし、自分の言動も振り返ることもないでしょう。

もし日本の行く末を真剣に考えているのであれば安易に石破ショックと言っていいものか、それは石破氏への嫌悪感、自分の応援者が選ばれなかった失望感というバイアスに左右されたものでないか冷静になって考える必要があるのではないでしょうか。

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