ノストラダムスの大予言に熱狂した世紀末を起草する
たつき諒氏が1995年に世に出した「私が見た未来」にて”2011年3月は大災害”との文言があり、これが約16年後の東日本大災害が起きた日と一致したことから予言として注目されました。
また、同書の中に、新たな大災害の起こる時期が2025年7月との記載もあり、SNSを中心に大盛り上がり。
海外の観光客が訪日を控えたり、国内でも旅行キャンセルが出たり、気象庁がデマとして否定したりと影響力は決して小さくないようです。
この現象で思い出したのが1999年に世界が終わるとされたノストラダムスの大予言。
予言が外れてオカルトブーム終了
ノストラダムスの著書が1555年ですから、それまでに多くの人が1999年にヤバいことが起こると危惧し、警戒感を持ってきました。
そして来る1999年。
年明けと同時に何かが起こると考えていた人もいましたが何も起こらず。
本番の7月を前に様々なオカルト番組がテレビでノストラダムスの大予言を取り上げ、視聴者の興味をそそる解釈を力説していました。
しかし、7月になっても何も起こらず、結局、ノストラダムスの大予言は大きな空振りとして人々に安堵と虚脱感を与えていったのでした。
オカルトの王様ともいえたノストラダムスの大予言の外れは、オカルトブームに終止符を打ったと言ってもいいかもしれません。
オカルト番組自体への信用というか、信ぴょう性というか、そういう熱中できる環境が失われ、冷めた目で見る人たちも増えて言ったように思います。
滑稽だったテレビ番組
中でもXファイル(ビートたけしの禁断の大暴露!!超常現象(秘)Xファイル)という番組の構成は、オカルトへの白けの象徴として傑作でした。
1999年になって、番組は心理学者を呼び、CMを挟んで彼にこう言わせました。
CMの前には「○○教授がこの後、驚きの発言をする!!」みたいなテロップとナレーションをつけていたようです。
心理学者は白衣を着て神妙な面持ちでこう言いました。
「私も予言します。7月に必ず何かが起きます」
視聴者で勘のいい人はなんとなくこの言葉の意味を理解しました。
なるほど、ノストラダムスの大予言が7月に成就するということは、きっと、戦争、災害、事件、何かしらの災いが起きたとき、人々はこれが大予言で言われている厄災だと受け取るだろうと。
そして世間はその出来事を持ち上げ延々と取り上げ、語り継ぐのだろうなと。
その時、Xファイルという番組はもう一度この心理学者を呼び、テレビ画面で「だから言ったでしょ?これが人間の心理というやつです」みたいなことを言わせるんだろうなと。
なぜなら、世界はいつも混とんとしており、何かしら起きているからです。
ところが、1999年の7月は近年まれに見る平和な時期で、戦争はおろか紛争についてのニュースも、また災害や疫病、大きな事件もなく過ぎていったのです。
肝心のXファイルはノストラダムスの大予言の特集も行わず、あの心理学者は再登場せず、言わせたことなどまるでなかったことに。
あの、肩透かし感は中々味わえないものです。
予言が当たっても当たらなくても
見方を変えると世界中の人々がノストラダムスの大予言を警戒し、あえて慎重に行動したため何も起きなかったと想像を膨らませることもできますが根拠はありません。
ノストラダムスの大予言自体、ほとんどの人が知られていなかったものを日本のオカルトブームが世界に派生して有名になったという説もあります。
たつき諒氏の予言とされるものも、7月5日と報道されることが多いですが、実際は7月中とそこそこ幅があり、その間に大きな地震が起きればこれだと言われるかもしれません。
SNSはこの話題で加熱していますが、人々の実際の暮らしには混乱ではなく、作者の言う冷静な備えが進むことを願っています。
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