水野愛理はSKE48の良心

2024年10月12日土曜日

芸能レビュー

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水野愛理の感受性と先見性

水野愛理さんは、SKE48のメンバーとして自分のアイドル象を表現し続けてきました。

そのアイドル象について時折、運営やファンとの意見の齟齬が見える場面がありましたが、そこに水野愛理の存在価値があったと思っています。

彼女が傷つくとき、彼女が怒るとき、彼女が落ち込むときは、SKE48が変わらなければいけない時でもあったように思うのです。

内外の意見に敏感に反応する彼女の存在はグループの自浄作用として機能し、SKE48の「良心」としての役割を果たしてきたと考えられます。

それは”先見性”とも言い換えられ、ひいてはマーケティングにおいても重要なコンプライアンス意識の高まりを先取りしていたと言えるでしょう。

吉村崇との共演エピソード

SKE48むすびのイチバン!という番組で吉村崇さんと共演した時、彼の毒舌芸風に対して水野愛理さんは強い拒否感を示していました。

彼女の容姿をいじるような発言に対して、本気で嫌がっていたのです。

当時はそのようなやり取りが問題視されておらず、見せ場として昇華されていましたが、現在ではコンプライアンスの意識が高まり、そのような笑いは見直されています。

先見性の証明

水野愛理さんがそのような笑いを拒否していたことは、彼女の先見性を示しています。

彼女は、他のメンバーやファンに対しても、尊重と配慮を求める姿勢を貫いてきました。

特に、ファンに対しては、自分の推しには優しい言葉をかけるように訴えてきました。


一部のSKE48ファンからは、水野愛理さんが吉村崇さんとの共演をもっと大事にすべきだったという意見もあります。

彼の知名度と実力に柔軟に対応すれば、彼女もSKE48ももっと売れたかもしれないという考えです。

しかし、昨今の容姿をいじる笑いが忌避される価値観が迫る中であのまま続けていれば、水野愛理さんやSKE48だけでなく吉村崇さん自身も炎上騒動を起こし、芸能活動に大きなダメージを受けたかもしれません。

そう考えると、彼女のとった行動はSKE48のみならず吉村崇さんさえも守った先見的な改革だったと言えるでしょう。

ゼロポジションでのエピソード

ゼロポジションという番組で、水野愛理さんが属する7期生と後輩の8期生がコンサートの出演権をかけて戦った際のエピソードも印象的です。

終盤まで7期生が優勢だったにもかかわらず、番組の制作人は番組を面白くするためにゴールをずらし、8期生とほぼ対等な点数にしてしまいました。

結果、8期生が勝ち、7期生はコンサート出場の権利を逃しました。

水野愛理さんはこの対応に不満を訴えましたが、それは自己の利益のためではなく、自分と7期生を応援してくれているファンを裏切る構成に対するものだったと思われます。

とはいえ、彼女は不満があるからと言って何でも会社の裏事情を暴露するような性格ではありません。

ファンを裏切らない筋の通った方法であれば、普段は演出として受け入れ、会社にやとわれた一アイドルを演じることに徹しています。

チームK2の新公演ドキュメンタリー

チームK2の新公演の練習風景をドキュメンタリー風にした映像が公開されましたが、それはテレビの制作人がかなり脚色したものでした。

実際には、メンバーたちはもっと熱心に明るく、協調性を持って取り組んでいたのです。

このことは、Showroomの配信で日高優月さんが暴露しました。

水野愛理さんもその場にいて、彼女の言葉にうなずいていました。

推測ですが、ドキュメンタリーはとても暗い雰囲気だったため、SKE48の名誉のためにも、そしてメンバーたちの名誉のためにも、彼女たちはファンに真実を伝えるかどうかを相談し、真実を伝える決断に至ったのだと思います。

このエピソードは、水野愛理さんが制作人の古い価値観、すなわち苦労や喧嘩を強調することで視聴率を稼ぐという体質が時代に合っていないことを理解している証拠です。

彼女は、新規のファンを獲得するためには、精いっぱい頑張っている姿をありのまま見せることが大切だと考えていたのでしょう。

また、切り取りと脚色で改変された演出では、メンバーの個性をよく知る既存のファンも納得させられないという考えもあったのだと思います。

若手コンサートの提案

水野愛理さんは、NMB48が若手のみのコンサートを開催したことに感心し、SKE48でも同様のコンサートを開催すべきだと訴えました。

この提案に対して、赤堀君江さんも賛同し、Twitterで「やりたい」と発信していました。

当時、一部の批判者からは、NMB48の基準では7期生の水野愛理さんは若手の対象外だと指摘されましたが、SKE48の基準が同一であるとは決まっておらず、その批判は当てはまりませんでした。

結果的に、若手コンサートは翌年に開催されましたが、水野愛理さんは出演しませんでした。

しかし、彼女の提案は、ファンの満足感と若手メンバーの成長を両立できるコンテンツニーズを理解していたことを示しています。

SKE48の賃上げ要求

なんと水野愛理さんはSKE48のメンバーとして働くアイドルたちのお給料アップにも貢献しています、と私は信じています。

彼女はお給料が少ないと口外しました。

夢を売るアイドルがお金の話をするのは感心しないと反発する人もいるようですが、アイドルも人間です。

たとえ実家で暮らしていても将来のことを考えると給料が低くて続けるのは難しいでしょう。

家族の賛同だって得られません。

水野愛理さんが卒業した後ですが、SKE48ゼストのオーナー藤澤社長はメンバーの給料を上げたと話しました。

増収増益SKE48は全員ベースアップ 藤澤信義オーナー「メンバーを大切にしていきたい」 | 東スポWEB (tokyo-sports.co.jp)

言わずもがな、これは水野愛理さんだけでなく、他のメンバーも訴えてきたことでしょう。

ただ、イメージ商売の会社としての体裁もあるから水野愛理さんの暴露はプレッシャーを与え、経営陣の動きを促進させたとも考えられます。

切り抜き動画の推奨

水野愛理さんは、Showroomで面白い場面があれば切り抜いてYouTubuなどで公開するように勧めていました。

本当はこれはルール違反です。

他サイトへコンテンツが流出すればShowroomはサーバー代などの維持費だけを支払う形となり経営破綻します。

ですからこの部分については称賛はできませんが、切り抜きが今の時代に必要なビジネスモデルなのは確かです。

Showroomはファンが近い距離間で楽しめ、イベントでの集金力に特化した媒体である反面、拡散力に乏しくSKE48のネットに弱いという弱点を補填できていことを水野愛理さんはわかっているような気がします。

切り抜きで拡散してShowroomに新規のファンを持ち帰られればWin-Winなのですが、決まりとはそう柔軟なものでもありません。

また、Showroomの利用はAKBグループ全体の方針ですので、簡単に変わることはないでしょう。

組織への影響

水野愛理さんの感受性と先見性は、SKE48の組織全体に良い影響を与えたと考えられます。

ここぞというときに組織にとって必要なことを発信する彼女の姿勢は、グループ内の雰囲気を改善し、メンバー間の関係をより健全なものにしたと推測されるからです。


もちろん、グループ内の暴露は、グループのイメージを損ない魅力を低下させるリスクもありますから常套手段となってはいけません。

しかし、例えば乃木坂46の早川聖来さんがラジオ番組で演出家SEIGO氏のパワハラを告発しました。

SEIGO氏は「死ね」、「殺す」、「ブス」などの言葉でメンバーの人格を否定し、掛橋沙耶香さんの転落事故もメンバーのせいだと叱責したと言います。

早川聖来さんの告発から乃木坂のファンらが同調し、SEIGO氏は辞任に追い込まれました。

価値観を一新しようとせず、本質的に組織の不利益になっていながら、立場の守られている人物や環境を変えるには、”暴露”という形で外圧(ファンの力や世論)を利用するしかない時もあるのです。


水野愛理さんが行ったテレビ関係者へ放った不満もまさにそのたぐいの出来事だったと思われます。

彼女はファンの良心を信じていました。

結果的に、彼女の存在が組織の寿命を延ばす力となり、SKE48が社会的批判を受けることなく活動を続ける一因となったと考えられます。

これからも続く水野愛理の貢献

水野愛理さんの感受性と先見性は、SKE48の「良心」としての役割を果たし続けました。

彼女ほどファンに一途だったアイドルはなかなかいないと思います。

彼女はファンが”会いに行けるアイドル”でありと同時に、ファンと対話できるアイドルでした。

水野愛理さんも、そして彼女を支えてきたファンの方々も、自分のアイドル活動を誇りに思ってください。

彼女の姿勢は、今後もグループやファンにとって大切な教訓となるでしょう。

彼女の卒業後も、その影響は長く続くよう祈っています。


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